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白井美由里「消費者行動のインサイト」

スーパー、なぜ「~しただけ」でトイレットペーパー販売数が1.5倍に?驚きの消費者行動が判明

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 したがって、商品への接触が特に重要となるのは、材質的性質をもつ商品ということになります。商品間で材質的性質のばらつきが大きいカテゴリー(セーターやテニスラケットなど)では、買い物客の接触時間が長くなることも報告されています【註2】。こうした商品では、気軽に触れられる環境を整えることで購入者が増える可能性がありますので、小売店はそうした環境を提供できているかどうか検討してみるといいかもしれません。

 特に、パッケージ化された商品では、買い物時に接触機会がないことが多く、高い効果が期待できます。実際、イギリスのアズダというスーパーでは、自社ブランドのトイレットペーパーを袋から出して、買い物客が自由に触れられるようにしたところ、その商品の売上げが50%も上昇したそうです【註5】。

接触のタイプと接触欲求の違い

 買い物客が小売店で商品を購入するときには必ず商品に触れますが、それ以外で商品に触れる主な理由は「触覚情報の取得」です。この接触には、「手段的接触」と「オートテリック接触」があります。手段的接触は購買を目的とした商品評価で、試着や試乗なども含みます。これに対し、オートテリック接触は単に「商品に触れて楽しみたい」といった衝動的かつ感情的な選好から生じます【註6】。もちろん、こうした接触に対する欲求には個人差があります。

 ペックとチルダーは、被験者を接触欲求の高低で2つのグループに分け、セーターと携帯電話を対象として、商品に触らせた場合とケースの中に入れて見せただけの場合とで、被験者の商品評価への自信に違いが見られるかどうかを分析しています【註7】。この接触欲求は、手段的接触とオートテリック接触の両方を対象としています。

 また、セーターでは柔らかさに関する情報(オートテリック触覚情報)を、携帯電話では重さに関する情報(手段的触覚情報)をそれぞれ文章で見せたときの効果も分析しています。分析の結果、接触欲求の高い被験者による商品評価への自信は、商品に触れたほうが高くなりましたが、低い被験者には接触の影響はありませんでした。商品がケースの中にある状況については、携帯電話では重さに関する情報を見せたほうが、接触欲求の高い被験者も低い被験者も自信が高くなりましたが、セーターでは接触欲求の低い被験者のみ、柔らかさに関する情報を見たほうが高くなりました。

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