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ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(2月29日)

「モノを持たないシンプルな暮らし」を主張する人々は、なんでも買える金持ちという事実

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時間を買う時代

 今回は、(2)の「時間を買う消費者」について詳しく考えてみよう。

 世界の都市に住む消費者に共通するのは、とにかく「時間がない」こと。都市部で働く人たちは、給与も高いが労働時間も長い。共稼ぎ率も高いため、家事を専門にする家族がいないことも多い。日本で「おせち料理」をつくらずに買うことが主流になってきているように、英国でも全世帯の3分の1が時間の節約と料理することのストレスから解放されるためにクリスマス料理を小売店で買うとされる。

 インドの18歳から35歳の富裕層の70%は、「贅沢」とは購買力ではなく自由な時間をどれだけ持っているかだと考えているそうだ。ちなみに、同調査で、同じように考えている人は中国では59%だった。

 留守の間に掃除をしてくれるロボット掃除機は世界中で人気だし、最近ではロボットシェフなるものも登場している。イタリアやポルトガルでiPadを超える売り上げだというBimbyは、ロボットというよりマルチタスク調理器といった感じだ。2018年に英国のベンチャー企業Moley Roboticsから発売予定のロボティック・キッチンは、ロボットアーム付きのシステムキッチンだ。著名シェフが実際に調理しているところを3D化し、ロボットアームがシェフの動きをそのまま再現。現在は、「蟹のビスク」しかつくれないが、発売時には2000種類のメニューから選択できるようになるという。

 今の消費者は、自分では料理する時間はない。だが、できあいの惣菜がはたして健康に良い材料を使っているかといった安全性への不安も抱えている。その意味で、ロボットシェフは絶対売れると、Moley Roboticsの経営者は確信している。

 時間への意識は、「オンデマンド経済」を促進している。オンデマンド経済は、消費者の要求があり次第、即、商品やサービスを提供する経済活動を指す。ネットスーパーを含めたオンラインショッピングの世界的人気は、これにあてはまる。アマゾンの配送日数、配送時間もますます短縮されている。最近では、都市部において1時間以内配送を始めた。これは有料サービスなので、消費者はまさに時間が買えることを実感することとなる。

 アマゾンが朝注文したら夕方には届く「即日配送」を始めたときは、消費者は驚いて感動した。しかし、慣れてしまった今となっては、それが当然のように思う。自分が欲求している、まさにその時に欲しい物を手に入れられないとストレスを感じるようにまでなっている。

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