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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(3月2日)

除菌・消臭スプレーは危険!動物実験では高死亡率、赤ちゃんの衣類・布団には使用厳禁!

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
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新生児がいる環境では使用するべきではない

 このほか、繁殖に関する実験も行われました。Aを新生仔期に投与されたマウスを、成長後に交配し、出産させたのです。その結果、2ミリリットル投与群のマウスから生まれたメスの子供は、出生後21日までの死亡率が明らかに高くなっていました。さらに、出生後21日の臓器の重量を測定したところ、2ミリリットル投与群のオスの精巣の相対重量が、対照群に比べて明らかに低くなっていました。またメスの場合、2ミリリットル投与群で胸腺の重量が対照群に比べて明らかに低くなっていました。なお、これらの実験結果は、同センター発行の07年版『研究年報』に載っています。

 同センターでは、以上の実験結果から、Aの影響について次のように結論づけています。

「新生仔期投与の最大無作用量は、マウスにおいては、1.0ミリリットル/キログラム体重/日と考えられる。安全係数100、あるいは1000(評価対象の化合物について発癌性試験が実施されていない場合)とした場合、人間での無作用量は、体重3キログラムの新生児ならば3.0マイクロリットル(安全係数1000)、あるいは30マイクロリットル(安全係数100)と算出される」

 つまり、この程度の摂取量であれば、人間の新生児でも影響はないと考えられるということです。

 しかし、「2ミリリットル/キログラム体重(体重3キログラムのヒト新生児で、6.0マイクロリットルあるいは60マイクロリットル)以上の経口摂取について、何らかの影響の可能性が示唆された」とのことです。

 実験に使われたAは、内容量が370ミリリットルで、「使用回数:約380回スプレーできます」とあることから、1回分のスプレー量は約0.9ミリリットルとなります。これは900マイクロリットルと同じです。噴霧された量のどの程度を吸い込むことになるのかについては、使用状況によって変わってくると考えられますが、生まれたばかりのヒト新生児の場合、その量の15分の1、あるいは150分の1を摂取すると、なんらかの影響が出る可能性があるということです。
 
 人間の新生児の場合、体は未熟で免疫力も低いため、外界からの影響を受けやすいと考えられます。そんな状態の時に、除菌・消臭スプレーの除菌成分を吸い込んだり舐めたりするのは、好ましいとは言えないでしょう。したがって、赤ちゃんが接する衣類や布団、毛布などには使わないほうがよいと考えます。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

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