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へーベルハウス、堕ちた名門ブランド…販売減地獄に突入か、旭化成の偽装体質露呈

文=編集部
へーベルハウス、堕ちた名門ブランド…販売減地獄に突入か、旭化成の偽装体質露呈の画像1旭化成本社がある神保町三井ビルディング(「Wikipedia」より)

 旭化成は4月1日付で子会社の旭化成建材の杭打ち施工データ不正問題の責任を取り、浅野敏雄社長が辞任すると発表した。最高財務責任者(CFO)兼経営戦略担当の小堀秀毅代表取締役専務執行役員が社長に昇格する。浅野氏は取締役相談役に退き、6月の株主総会で取締役からも外れる。

 住宅建材部門担当の平居正仁副社長が旭化成ホームズ相談役に退き、旭化成建材の前田富弘社長が辞任して旭化成の社長付となる。前田氏ら旭化成建材の取締役3人は3カ月間、月額報酬の20%を減額する処分を受ける。

 旭化成建材が杭打ちを手掛けた横浜市のマンションが傾いたことが、昨年10月に事件化した。その後の調査で同社が関与した計360件の工事で、別の建物のデータを流用するなどの不正が判明。学校や公営住宅などの公共施設もあり、社会的な不安が広がった。一連の杭打ち偽装の発端となった横浜市のマンションについては、杭が固い地盤に届いているかどうかを再調査中だ。

 旭化成は役員の処分と合わせて、社内調査委員会の中間報告を公表した。改竄があった360件について、施工時に雨などでデータが欠落しやすい環境にあったと分析。計測装置を改善し、工事現場からデータを送る仕組みをつくる考えだ。

 データ流用を含むトラブルが過去に3件あり、うち1件は旭化成建材の小林宏史社長(当時、現・旭化成常務執行役員)に報告されていたが、その内容は偽装以外の問題に力点を置いており、経営陣は偽装を認識していなかった。杭打ちデータ軽視の意識が蔓延し、旭化成建材の管理体制も不十分だったことが偽装につながったと、報告書は指摘している。

2年で引責辞任する無念さ

 浅野氏は建材と関係ないヘルスケア事業の出身で、2014年4月に社長に就くまでは取締役にもなっていなかった。子会社がデータを改竄したのは同氏が社長に就く前のことであり、社内では「浅野社長に責任はない」との声があったが、社外からの厳しい声に抗しきれなかった。

 記者会見した浅野氏は「グループの経営トップとして、けじめをつける必要があると判断した」と述べた。

 旭化成は15年3月期に続き16年3月期も過去最高の営業利益を上げるとみられている。浅野氏は社長在任中に好業績を上げているにもかかわらず、わずか2年で退任することになるわけで、極めて無念だろう。杭打ち問題による経営の混乱を収拾するため、次期中期経営計画が始まる4月を機に体制を一新することを決断した。

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