16年3月期の通期業績で、営業利益率は「業界最低水準」とまでいわれる4.7%の低水準で、富士重工業(スバル)の営業利益率17.1%の3分の1以下だ。

 ホンダの四輪車事業の本格立て直しを図るため、八郷社長は「クルマづくり」の見直しに着手する。ホンダ車を開発する本田技術研究所の現場が開発に集中できる体制とするため、上級ブランドのアキュラ車、ホンダのスモールカー、ホンダの中・上級車の3つの領域に、それぞれ商品開発の責任者を配置する。開発責任者は、完成車1台を一貫して評価する。これまで、新型車の企画段階から「青山(本社)の意向が強く、研究所の力が弱くなっていた。研究所の現場が開発に集中できる体制にする」(同)。

 デザインの変革も進める。「いまや多機能や高性能だけでは通用しない。顧客に喜ばれる商品コンセプトに軸足を置いてホンダらしいデザインと走りを進化させる」(同)ため、ホンダ車、アキュラ車それぞれを担当するエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを配置する。

 八郷社長は今回の開発体制の見直しについて「世界6極体制をさらに進化させる」としている。しかし、日本の研究所に開発を集約するなど、実態は世界6極体制の見直しにほかならない。世界販売600万台の旗はすでに降ろした八郷体制。大胆な役員人事と開発体制の見直しで再浮上のきっかけをつかむことができるか。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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