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ブッ飛んだ東大入試問題の世界…奇抜な問題に秘められた、スゴいメッセージ

取材・構成=谷口京子/清談社
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――「考える力」が試されるとすれば、東大合格を狙う受験生たちにはどんな指導をされているのですか。

富田 基本を大切にし、覚えるだけでなく、「なぜそうするのが合理的なのか?」を考えることを教えるのが私の基本姿勢です。また、最後の詰めにすぎないので生徒には入試の1週間前にならないと言わないのですが、「字を丁寧に書くこと」も教えます。東大に受かる子の特徴のひとつに、字が汚いというのがあります。頭の回転の速さに手の動作を合わせているので、彼らには字を記号として置いていけばいいと思っている節がかなりあります。しかし、書くスピードが一定を超えると、むしろ思考が雑になり、つまらないミスをしがちです。字を丁寧に書くという足かせをつくることで、思考力を少し低下させ、新たな気づきやいいまとめができるようになります。思考を手の動きに合わせることも、ちゃんと覚えなければならないのです。

――世間には「東大生は頭が固い」というイメージも強いですが、東大入試問題に太刀打ちするためには、柔軟な思考力が必要なのですね。

富田 もちろん、東大生のなかには頭が固くても合格する子がいます。3000人の合格者には、普通に世の中に出て社会の歯車になって生きていく人もいれば、残りの人材にはずっと大学にいたり、就職しても企業の研究室で金儲けにならないことを研究したりしている鼻つまみ者もいる。それは個人の自由です。

 ただ、後者のなかからすごく新しい発想が生まれることが多いのも事実。その確率が日本一高いのが、東大といえるでしょう。東大教育のすべてがいいとはいいませんが、本来ならば、東大にかぎらず日本全体が、そういう若者をたくさん育てていくべきなんです。
(取材・構成=谷口京子/清談社)

【プロフィール】
●富田一彦(とみた・かずひこ)
1959年東京生まれ。東京大学文学部英語学英米文学専修課程修了。86年より代々木ゼミナールの英語講師を務め、その講義は英文法の基礎から東大英語まで幅広く扱う。代ゼミのトップ講師として活躍するかたわら、『富田の英文読解100の原則 上・下』『The Word Book とみ単』『キミは何のために勉強するのか』(すべて大和書房)など、多数の著書を持つ。

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