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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

ナンセンスすぎる春秋の叙勲・勲章、呆れた内幕…受賞者の7割は公務員、功績無関係

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 例えば、現在の受章者の割合を見ると、国家・地方を合わせた公務員、さらには公務員に準ずる職を合わせると7割を超えており、純粋に民間は3割を切る数字となっている。勲一等から勲三等までの上位叙勲者では、政治家、官僚、判事、検事、国立大学教授などがほとんどだ。叙勲の基準は以下のようになっている。

・大綬章―内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官など
・重光章―国務大臣、衆参両院副議長、最高裁判所判事、省庁の事務次官、経済社会の発展に対する寄与が極めて大きい企業の経営最高責任者など
・中綬章―大臣政務官、衆参両院常任委員長、国会議員、都道府県知事、省庁の内部部局の長など
・小綬章―指定都市の市長、全国組織の団体の長、省庁の課長
・双光章―市長、特別区の区長など
・単光章―町村長、都道府県議員、市議会議員など

 このように、政治、役人では、その能力や功績に関係なく、そのポジションごとに対象となる勲章が決められている。叙勲は各省庁の長が、内閣府賞勲局に推薦して、協議の上決定する。つまり、政治や役人の世界での推薦ルート00が確立しているのだ。一般国民が内閣府賞勲局に推薦することもできるが、このケースで叙勲にまで至ることはほとんどない。

 公務員は公僕であり、国民に奉仕するために仕事をしている。その結果として俸給を得ているのであり、その公務員が叙勲の対象、それも7割の受章者が公務員関係者であるということに、現在の叙勲制度の問題点があるのは明らかだ。もちろん、公務員のなかにも、警察官や消防士のような危険と背中合わせの職業もある。しかし、多くの公務員はいわば事務職にすぎない。

 叙勲基準には、民間分野で人目に付きにくい分野の功労者という基準がある。例えば、森林作業員や専門工事業者(とび、左官、塗装等)なども含まれている。しかし、これらの人々が受章することはほとんどない。

 筆者の住まいの近所に、1年365日休まず町内のゴミ拾いをなさるご婦人がいる。毎朝、出勤時にお会いする。本当に頭の下がる思いだ。しかし、こうした方々が褒め称えられることは、ほとんどないのである。政治家や役人が手前味噌のために栄典の見直しを行うのであれば、やらないほうがいい。見直すのであれば、市井の人々が選ばれるような制度をつくるべきだろう。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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