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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

車暴走による「運悪い」歩行者の死亡事故多発!赤信号を渡るほうが安全?予防は不可

文=新見正則/医学博士、医師
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信号で安全と過信して渡ることが実は危険

 また、非常識君が言うように、赤信号を渡ったほうが危なくないともいえます。つまり、すべて自分の責任ですから、いつも以上に気を付けて赤信号の道路は横断するという論理的思考でしょう。確かにそうです。一方で、青信号で左右も気にしないで、安全・安心と過信して渡ることが実は危険なのです。

 つまり非常識君の思考にはある意味賛成で、もちろん赤信号を渡ってはダメですが、青信号でも赤信号と思って気を配って渡ることは身を守る上では良い選択肢でしょう。今回の事件のように病気で意識を失った運転手の車が暴走することは希にしても、携帯電話を使ったり音楽を聴いたりしながら信号無視をして、横断歩道に不法進入する自転車はよく目にします。安全と高をくくることが、実はひとつの危険なスポットに入ることなのです。

 一方で、タクシーやバスに乗車するときは、常識君が言うように「何かあれば致し方ない」と覚悟を決めて乗るしか方法はないでしょう。運転手の横に乗って、いつでも運転を代われる状態で待機することなどは、どう考えても無理です。

 私たちの周辺には危険がたくさんあると思って生きることも致し方ないですね。通常はなんとなく体の変化を感じることがあるものです。あとから思うと予兆と考えられる症状です。なにか不調を感じたらぜひ、かかりつけ医に相談しましょう。特に他人の命を預かっている人には、ちょっとの異変でもしっかりした検査をお勧めします。
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993年~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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