荒廃した東京から田舎へ人の大移動のうねり…安い生活コスト、豊かな自然の画像2宮崎県小林市の移住セミナー

 地方の活性化事業に取り組む「地域おこし協力隊」の存在も見逃せない。都市から地方へ住民票を移動し、その地に居住して地場産品の開発・販売・PRなど地域おこし活動を行う移住者を支援する制度で、15年3月末までに任期を終了した隊員は945人。その約6割が同じ地域に定住している。同一市町村内に定住した隊員の約2割は起業しているという。九州の5県の隊員数は約150人(14年度)に上る。

「2月上旬に移住セミナーを開いた宮崎県の小林市も隊員の受け入れ先です。セミナーでは隊員の方が養蜂家として定住するというプランを語っていました。隊員の受け入れに当たっては国から1人当たり400万円を上限とする支援金が出ます。移住者、地方自治体の双方が制度をうまく活用しているケースが九州では増えているのではないでしょうか」(同)

 滝廉太郎が「荒城の月」の構想を練った岡城があることで知られる大分県竹田市は、この5年間で移住者182人の受け入れに成功した。市が専従の職員を配置し、移住希望者の仕事や住まいの相談に乗る。同時に工芸や陶芸など技能を持つ人を対象とした「歴史・文化資源活用型起業支援事業補助金」を設け、支援体制を拡充している。

 加えて九州には、海、山、川そして温泉といった豊かな自然がある。生活のコストも、相対的に抑えることができる。仕事と住まいに加え、子育て環境が整備されれば、九州への移住者はさらに増えそうだ。
(文=編集部)

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