「タイの日本人向け不動産販売の業界では、かつてゴーゴーバー投資詐欺をしていた日本人の一部を、今では不動産投資の世界で見かけるようになりました。
そのせいか販売においても、タイのコンドミニアムをショールームなどで、正規よりも非常に高い価格で日本人に売りつけ、さらにタイでは購入者側の各種手数料は無料にもかかわらず、法外な金額を日本人に請求するといった話が聞かれるようになっています。
日本人向け不動産投資としては、最近でもシラチャの不動産が上がるなどと言って、そこでサービスアパートをつくり、建築途中で日本人向けに売っている物件などがあるのですが、ある物件は、ゴーゴーバー投資詐欺をしていた日本人が企画した物件です。その物件の販売資料を見ると、『日本人経営の会社が管理するので安心』などと書いてあります。
しかし実際にシラチャで工事をしている現場を確認すると酷いもので、例えばビルのコンクリートをミキサー車も使わずに、手でこねたりするなどしています。こんな工事をしていれば、強度などもまったく足りない恐れがあり、それこそ完成した物件が倒壊するかもしれないほどの酷い工事内容となっているのです。購入した日本の個人投資家はきちんとお金を払っているはずなのに、一体どれほどのお金がその業者に抜かれているのでしょうか。
この物件の登記簿などを調べると、この物件を企画した日本人は『自分が社長』と自称していましたが、この人物の名前はどこにも出ておらず、一切の責任を取らないようにしていました。もう逃げる気が満々なんじゃないかと、業界関係者は心配をしています。
シラチャは、一時的に不動産の供給が少ないエリアで需要が高まったことから、1年ほど前にバブルのようになったエリアなのですが、既に多数の建築計画が発表されて今は供給過剰になりつつあり、さらに日本の若い駐在員の間では、日本人ばかりの町には住みたくないと言われていることから需要が減って、今は情報の早い投資家からは見向きもされなくなってきています。だからこそ今は、大部分のきちんとした業者ががんばらないといけないという時なのですが、こうした詐欺的な物件開発の話が問題として出てくれば、悪影響が出てしまうのではないかと心配されています」