税務署のいい加減すぎる不当な税金徴収の実態…職員のさじ加減で額変動、誤指導で追徴課税

税務署職員もよくわかっていない税の仕組み

–課税が税務署職員のさじ加減で決まる。そんな不公平が起きる原因は、どこにあるのでしょうか。

松嶋 ひとつは、そもそも税に関する法律や規則が複雑で、それらすべてを把握している職員がいない点が挙げられます。確定申告会場の職員にしても、納税者より少しだけ税に詳しい程度ですし、税務調査官は税法を基本的に知りません。

 そのため、グレーゾーンに関しては、さじ加減で課税することがあるのです。また、税理士も、このような税務署の実態を知っているわけではないため、税務調査官に指摘されると、それをよく検証しないで課税に応じるケースもあります。

–法律やルールがきちんと把握されていないために誤指導が起き、税務署職員の裁量で納税額が決まる。そして、納税者が泣き寝入りしてしまうというのが現状なのですね。そうした事態が起きた場合、納税者はどうしたらいいのでしょうか。

松嶋 実践的な話をすると、税務署職員に対応する際に有効なのは、音声を録音しておくことです。誤指導があった場合などは、後にそれが有利な証拠となります。

 ただし、目の前で録音するのは問題がありますので、ICレコーダーなどを見えない場所に忍ばせておくほうが無難でしょう。また、税務署から不当な扱いを受けた時は、その職員の上司や国税局のクレーム担当部署に抗議するのも、ひとつの手です。本人に言ってもらちが明かないケースでも、上の人間や部署に相談すれば、応じてくれることがあります。

–もはや「税務署はミスをするもの」という意識を持ったほうがよさそうですね。ありがとうございました。

 ミスや誤指導もあれば、さじ加減で税が足し引きされることもある。税関係で損をしたくなければ、税務署を疑い、戦う姿勢を持つことも大切なようだ。

 ただし、「グレーゾーンについては強く出てもいいが、明らかな脱税や不正を無理に通そうとすると、懲罰の対象になるため、絶対にしてはいけない」と松嶋氏は語る。当たり前の話だが、権利を主張するのなら、自分自身が潔白でなければならないようだ。
(文=松原麻依/清談社)

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