倒産と同時に、坂本氏はマスコミの信用も失った。倒産会見の場で坂本氏は、「(メディアが)どこかから聞いてきた話をすぐ記事にしたことが、どれだけ我々の提携環境を阻害したことか」とメディア側を痛烈に批判。本来成功したはずの提携交渉が進展しなかったのはマスコミのせいだと八つ当たりしたのだ。この時、会場からは冷笑が起きた。外国勢を中心に資本・業務提携を持ちかけていたのは事実だが、記者団からすれば「“願望”を自社に好意的な媒体(味方)にリークしてきたのは、坂本氏自身ではないか」といった思いがあるのだろう。

 確かに坂本氏はモーレツ経営者だったが、経営力には首を傾げる向きが多く、業界関係者は次のように指摘していた。

「パソコン用DRAMの価格は急落したが、スマートフォン用は十分収益を上げていた。エルピーダは旧来のパソコン用の生産ラインのままだったため、『スマホ時代』に取り残された。つまり、戦略ミスが倒産の最大の原因だ」

 また、取引銀行は「実効ある再建計画を打ち出せなかった」と不信を口にした。なお、エルピーダは経済産業省官僚のインサイダー疑惑の舞台になった会社でもある。信用を得られなかったことが失敗の大きな要因だろう。
(文=編集部)

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ