コエンザイムQ10も? 短命に終わった「幻の味」

 フルーツ系以外の味も、再現度はかなりのものだ。例えば「甘酒」は、酒粕独特の風味が鼻から抜けるように漂い、どう味わっても甘酒としかいえないほどの完成度である。

 しかし、なぜ、こんな奇抜な味の豆乳を開発することになったのだろうか。

「奇をてらうといった意図はまったくなく、世の中にある食品や飲料の嗜好を捉えて企画・開発しています。ただ、ひとつの商品ですべてのお客様に満足してもらうのは難しく、商品ごとにターゲットやシーンを想定しながら開発しているため、自然とバリエーションが増えていきました」(キッコーマンソイフーズの開発担当者)

 これだけ多くの味をリリースしていれば、中には外してしまったケースもあるのではないだろうか。

「意気込んで発売したものの、間もなく終売となった商品もたくさんあります。例えば『コエンザイムQ10』は、美容に良い成分を配合してグレープフルーツ風味にしたのですが、化粧品のようにとらえられてしまい、結果的にあまり売れませんでした」(同)

 このように短命に終わるほか、もともと季節限定の商品もあるため、気になった時に買っておかないと、二度と味わえない豆乳も多い。そこまでして、新たな味を求めるのは、なぜなのだろうか。

「やはり、豆乳に苦手意識を持っている人に手に取ってもらいたい、というのが一番の目的ですね。飲んでいただいてから『あ、これ豆乳だったんだ』というくらい、日常生活に浸透させていきたいです」(同)

「とにかく、豆乳を飲んでもらいたい」という、キッコーマンのひたむきな情熱が、今日も斬新な味の豆乳を生み出している。
(文=鉾木雄哉/清談社)

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