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東芝、追い打ちの危機浮上…米当局が調査開始、柱・原発は5年間受注ゼロ、巨額損失か

文=編集部
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 進退を問われた室町社長は「難しい質問だ。構造改革が一段落というのは時期尚早。進退については指名委員会に委ねられており、私から申し上げるのは差し控えたい」と言うのにとどめた。

 17年3月期の黒字転換の前提となるのは、新生・東芝の姿を社内外にきちんと示すことだ。真っ先にWHの減損処理をきちんとやるべきだ。米司法省と証券取引委員会(SEC)が、WHの過去の会計処理について調査を開始した。違反が確定すれば罰金などを科せられる可能性がある。

 だが、東芝の情報開示に関する姿勢に進歩はみられない。東芝はWHを含む複数の米子会社が昨年末以降、米司法省や証券取引員会から不正会計問題に関する情報提供を求められているという事実を、3月18日の事業計画の発表前にようやく明らかにした。米国の通信社の取材に対しても「事実を調査中」としてきた。金融庁から課徴金の納付命令を受けたのに続き、米国で子会社が処分される可能性が出てきたというのに、相変わらず情報開示には消極的である。

 WHの買収額と買収先の純資産の差額となるのれん代は、3月末で3513億円。志賀重範副社長は「新たな減損テストを行い、その結果を見てから16年3月期決算に反映するかどうか判断したい」と後向きである。

 会社自体の情報開示に対する姿勢が変わらなければ、広報・IR部門を社長直轄にしたところで期待はできない。外資系証券会社のアナリストは「第三者委員会はきちんと調査したのか。もう不正はないと信じていいのか。投資家は疑っている」と厳しく指摘する。

「2本柱の先行きは不透明。業績目標を達成できるかどうかわからない」との声が、東芝幹部から漏れてくる。中国経済の減速や原油安など外部環境は急激に悪化している。巨額損失後、経営環境の改善を追い風にV字回復を果たした日立製作所やパナソニックとは前提条件がまったく違っている。東芝の現経営陣は「今」を厳しく見つめ、経営再建計画を策定したのだろうか。実は、これが最大の問題点なのである。

 再建計画で夢を語る必要はある。しかし、夢は数字と直結しないことを肝に銘じるべきである。
(文=編集部)

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