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伊藤忠、悲願の商社トップへ…凋落激しい三井物産と住友商事、丸紅にも抜かれる危機

文=編集部
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 17年3月期は税引き後利益3500億円を予想。過去最高を更新する、としているが、三菱商事の反攻は確実。(利益)首位争いは激しくなりそうだ。

資源価格の下落に苦慮した三菱、三井、丸紅

 三菱商事の16年3月期の純損失は1493億円の赤字となった。石炭や銅の価格下落で4260億円の減損損失を計上。このうち資源は3850億円の減損。1954年に現在の三菱商事が発足して以来、初の連結赤字に転落した。従来予想(3000億円の黒字に下方修正)を4500億円弱下回った。

 足元の資源価格は1年前と比べて原油は約5割、鉄鉱石が約4割、銅も約2割下落しているため、保有資産の評価の見直しを進める。すでに原油関連での200億円の減損損失を見込んでいるが、ほかの案件でも追加で減損が発生する。1000億円規模で、さらに下方修正の可能性がある。「社長交代を機に、できるだけ膿を出すのではないか」と予測するアナリストもいたが、それでも「最終黒字は確保するだろう」と見られていた。それが一気に4260億円の減損損失の計上に踏み切った。

 三菱は2012年に取得したチリの銅権益や豪州のLNGなどで減損損失を計上。すべての開発案件について将来の収益性を見直した結果、減損損失は4300億円に膨らんだ。チリでの銅開発が2800億円。取得時に1ポンド4ドルだった銅の価格が半分程度に下落。急回復は見込めないとして巨額の減損損失を計上する。豪州でのLNGや鉄鉱石の開発、北海やアジアでの原油開発でも「今の資源価格が当面続くのを前提に、すべて処理した」(小林健社長)。

 三井物産の16年3月期の純損失は834億円の赤字。減額修正した数字(700億円の赤字)をさらに下回った。期初予想は2400億円の黒字だから3200億円以上、下振れしたことになる。

「資源商社」の代表選手といわれてきた三井だが、豪州や南米の資源エネルギー事業の減損損失を2600億円計上する。このうち1150億円がチリの銅開発案件。チリ銅公社と共同で出資した事業と、JXホールディングスなどと組んだ事業の2つが対象だ。豪州のLNG(液化天然ガス)の開発計画の遅れで400億円の減損発生し、ブラジル資源大手、ヴァーレの業績が悪化。同社はニッケル開発などで減損損失を計上したが、三井は350億円を16年3月決算に反映させる。赤字転落は1947年の創立以来、初めてとなる。

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