その双日の16年3月期の純利益は前期比20.9%増の400億円と従来予想を据え置いた。だが5月9日に発表した決算の純利益は前の期比10%増の365億円の黒字だった。減損損失はエネルギーや金属部門を中心に241億円となった。石油や鉄鉱石など資源権益を減損処理した。

 トヨタ自動車系のメーカー商社の豊田通商の16年3月期は437億円の最終赤字。期初に700億円の黒字としていたが赤字に転落した。資源価格の下落でオーストラリアやカナダのガス事業で権益の価値を見直す減損処理を実施したほか、出資企業の株式評価損が発生した。資源関連で635億円、全体で691億円減損を計上した。

 総合商社5社の減損額の合計は1兆2000億円を突破した。7社合計では1兆3223億円の減損だった。15年3月期の三菱商事、物産、伊藤忠、住商、丸紅の上位5社の減損額7000億円を大幅に上回った。

 収益の牽引役が非資源事業に移るなか、減損懸念が依然としてつきまとう資源事業で、どのような抜本的な手を打つか。それによって17年3月期の商社の順位が決まることになる。

 16年3月期は住友商事も1700億円の減損損失を計上するため、三菱、三井、住友など上位5社だけで損失は1兆円規模に達する見込みだ。15年3月期の7000億円の減損損失を大幅に上回る。

【総合商社7社の16年3月の決算の最終損益】
①伊藤忠商事  2403億円
②住友商事    745億円
③丸紅      622億円
④双日      365億円
⑤豊田通商    437億円の赤字(赤字転落)
⑥三井物産    834億円の赤字(赤字転落)
⑦三菱商事   1493億円の赤字(赤字転落)

【17年3月期の最終利益の見通し】
①伊藤忠商事   3500億円(45.6%増)
②三菱商事    2500億円(黒字転換)
③三井物産    2000億円(黒字転換)
④住友商事    1300億円(74・7%増)
④丸紅      1300億円(約2倍)
⑥豊田通商     700億円(黒字転換)
⑦双日       400億円(9.5%増)

 アナリストからは「住友商事、丸紅は16年3月期で減損損失の計上が過小」との指摘が出ている。

 17年3月期は最終利益で首位をキープし連覇を狙う伊藤忠・岡藤正広社長と、4月1日付で三菱商事の社長に就任した垣内威彦氏との闘いとなる。「商社2強時代」ともいわれているが、三菱商事の業績のV字回復は侮れない。熾烈なトップ争いになる。

(文=編集部)

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