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タクシー運転手の悲惨な実態…1日20時間労働、必死に月50万売り上げても月給25万

文=稲垣浩生/ライター兼タクシードライバー
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 さて、各地区にはタクシーに目を光らせる「指導センター」が存在する。中でも「鬼より怖い」とされるのが「特別区・武三交通圏」の「東京タクシーセンター」だ。

 同センターの本来の業務は運転手の指導だが、運転者登録事業も行っており、仮に次のような失敗をしたら大変だ。

 例えば、乗車時に質問をされたり地図を見せられたりして、うっかり料金メーターのボタンを押し忘れることがある。タクシードライバーなら誰もが経験する失敗だが、これがセンターに見つかると、乗務停止などの厳しい罰則が待ち受けている。

「メーター押し忘れ=エントツ(運賃を自分の懐に収めること)」を防止するという観点からだが、センターという抑止力がある以上、わざわざエントツする運転手は皆無だろう。

 また、銀座・新橋には乗車禁止区域があり、22~1時の間は「指定乗り場」以外での乗車は固く禁じられている。それを知らない酔客が「おい、乗せろ!」とドアをドンドン叩くこともあるが、禁止区域での乗車が見つかれば、これもペナルティの対象となる。

 このほか、乗車拒否もペナルティ対象だが、夜に暗い色の服で道端に立たれると、乗客を見逃してしまうことも少なくない。この場合、ナンバーをセンターに連絡されると「乗車拒否」とみなされてしまう。

 もちろん、中にはマナーのかけらもないドライバーもいるため、まっとうな苦情はタクシー業界全体の質向上のためにも望ましい。しかし、そのような故意ではないミスについても、一方的に「ドライバーが悪い」と決めつけられることも少なくない。

 車内でのトラブルについては、最近はドライブレコーダーが証拠になってくれるものの、タクシードライバーは意外に神経をすり減らしているのだ。
(文=稲垣浩生/ライター兼タクシードライバー)

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