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USJ、うつぶせジェットコースターに客殺到…破綻から十年、なぜ必ず楽しめる施設に変貌

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト

イノベーション・フレームワーク

 来場者数は07年のマザーズ上場後も800万人台で頭打ちの状態が続き、700万人台の前半まで減少した。このようななかでUSJ復活の期待を託されたのが森岡毅氏だ。

 森岡氏は神戸大学経営学部を卒業後に、P&Gの日本ヴィタルサスーン、北米パンテーンのブランド・マネージャー、ヘアケアカテゴリーのアソシエイトマーケティングマディレクターやウエラジャパンの副社長などを経て、10年にユー・エス・ジェイに入社。12年からはチーフマーケティングオフィサー、執行役員、本部長を務めている。

 森岡氏は2011年の東日本大震災の自粛ムードで来場者が激減した時には、大阪府と組み関西の子供を無料でパークに招待する「スマイル・キッズ・フリー・パス」を実施。それが呼び水となって来場者が急増した。さらに12年にはそれまでUSJが弱いといわれたファミリー層の集客を強化するため「ユニバーサル・ワンダーランド」を建設。13年には人気ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」を後ろ向きに走らせるという逆転の発想で、予算をかけずに大きな集客を生むことに成功した。14年7月には 新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープン、USJは不動の人気を確立したといっても過言ではないだろう。

 こうした成功の秘訣はなんだったのだろうか。森岡氏は自著『USJのジェットコースターは後ろ向きに走ったのか?』(KADOKAWA/角川書店)によると、実はアイデアの発想法があるという。「イノベーション・フレームワーク」だ。

 これは、以下の4つから構成される。

・フレームワーク(目的にあった条件設定)
・リアプライ(アイデアの転用)
・ストック(知識、経験の蓄積)
・コミットメント(必死に考え続ける)

 そして森岡氏は「3段ロケット」と称して、次の3つの実現に向けて取り組んだという。

(1)家族連れ顧客の取り込み
(2)関西依存の集客構造からの脱却
(3)会社のノウハウを複数の場所に展開する構想

 では15週年を迎え、USJはどう変わるのか。3月16日にはプレスレビューが行われ、「ザ・フライング・ダイナソー」の公開と試乗とユニバーサル・リ・ボーン・パレードが行われた。ザ・フライング・ダイナソーは世界最長で世界最大の高低差。しかもうつぶせに乗車するため、これまでのジェットコースターでは絶対見ることのできない景色や浮遊感を体験できる。

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