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鈴木貴博「経済を読む目玉」

髪のボリュームが多く見えるシャンプー、なぜ売り切れ続出?老化防止市場に異変

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
髪のボリュームが多く見えるシャンプー、なぜ売り切れ続出?老化防止市場に異変の画像1「Thinkstock」より

 1年ほど前にこんなことがあった。私が使っているある大手メーカーのシャンプーの詰替えを買おうと近所のドラッグストアに行ったときのことだ。比較的どこでも売っているはずの商品なのだが、近所のどこを探しても見つからない。

 ちなみに私はなぜか10代の頃から女性用シャンプーを使っていて、今は30~60代くらいの比較的シニアな層をターゲットにした婦人用ブランドのシャンプーを愛用している。

 そのブランドのラインナップは普通用が水色のパッケージ、ダメージケア用が金色、そして私が利用しているある機能を持った緑色の商品だけが、ドラッグストアで欠品になっている。

 この商品がどういったものかという種明かしは後ほどするとして、話を続けたい。

 私はこういう現象を見つけると好奇心がわいてくるたちだ。偶然ではないような気がして近隣10軒ぐらいのドラッグストアを歩いて回ってみたところ、少なくとも特売コーナーでは緑の商品はほとんど売り切れに近いことがわかった。一方で、水色の商品が一番多く棚に残っていることもすぐにわかった。

 つまり普通のシャンプーが一番売れていなくて、ダメージケア成分が入ったシャンプーはある程度売れている。そして別の機能をウリにした緑色の商品は軒並み売り切れという状態だ。

 ここで、「この緑色の商品はなんだろう」というクイズの答えを考えながら、この先を読んでほしい。

老化対策商品の市場は細分化

 この問題に興味をもったのは当時、私と同世代の50代の女性をターゲットにした化粧品のコンサルティングを行っていたからだ。この世代の化粧品にはいろいろな分類の方法があるのだが、わかりやすいセグメントを紹介すると、以下4つの市場に、老化対策の化粧品やその関連商品のマーケットは細分化されているらしい。

(1)劣化しやすい部分をケアする
(2)劣化を予防するために成分を補う
(3)劣化してきたものを再生する
(4)劣化を目立たないように隠す

(1)は、比較的若い方が肌がかさかさしてきた時に購入する保湿剤のような製品をイメージするとわかりやすい。(2)は、爪が傷つきやすくなってきた時にカルシウムをサプリで飲むような場合。体内から不足する成分を吸収するものや、表皮にコラーゲンを塗るようなものがこのカテゴリーに相当する。

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

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