NEW
金子智朗「会計士による会計的でないビジネス教室」

志望校に合格した娘の家庭教師役で発見した、良いorダメ管理職=コーチの条件

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 つまり、コーチの役割とは、戦略立案とモニタリングだ。それが間違っていたら、プレーヤーがどんなにがんばっても成果は出ない。努力する以前に“努力の方向性”が重要なのだ。

 企業でいえば、これは管理職の役割だ。管理職の役割はプレーヤーと一緒になってがんばることではない。プレーヤーがどっちに向かってがんばるべきなのか、その“努力の方向性”を示すことが管理職の第一の役割だ。

 その上で、その努力の方向性に向かってプレーヤーをがんばらせるのである。がんばっているというだけでプレーヤーを評価してはいけない。努力の方向性を間違えていたら、どんなに努力をしても成果は得られない。経営資源の無駄になるだけだ。方向性を指し示しても、プレーヤーがそれを実行しなければなんにもならない。プレーヤーがそれを実行できるかどうかは能力の問題もあるが、それに加えて重要なのはプレーヤーにとっての“場づくり”だ。場づくりとは、プレーヤーが余計なことに時間を取られず、やるべきことだけに集中できる環境づくりである。これもまたコーチとしての重要な役割である。

 コーチがプレーヤーに指示を出すときは、一方的な押し付けではうまくいかない。「なぜ今それをやるのか」という理由を理解させることが重要だ。理由の理解は高いモチベーションにつながる。コーチの役割を担う者は、黒子に徹することも重要だ。主役はあくまでもプレーヤーなのである。「自分が主役」とプレーヤー自身が実感できることもまた、高いモチベーションにつながる。

 第一志望に合格して遊び回っている娘は、コーチ役としての私の努力など知ったことではないようであるが、それでいいのだ。上司の力添えがあったからこその成果であっても、上司は部下の手柄にしてやればいいのである。何より、戦略がどんなに立派でも実行が伴わなければ、ただの絵に描いた餅で終わる。企業においても戦略とオペレーションは両輪である。どちらが欠けても成果は出ない。

 かなりの幸運に恵まれたとはいえ、限られた時間のなかで戦略を見事に実行してみせた娘を今は素直に褒めてやりたい。そしてここから先は、自ら戦略も立てられるように自立していってほしいと願っている。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)

志望校に合格した娘の家庭教師役で発見した、良いorダメ管理職=コーチの条件のページです。ビジネスジャーナルは、連載、コーチ受験勉強管理職の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

Ranking
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合
BJ おすすめ記事