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ライザップは体に危険、は本当?誰もがCMの肉体になれるわけではない?

文=長谷英史/A4studio
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ライザップは体に危険、は本当?誰もがCMの肉体になれるわけではない?の画像1「Thinkstock」より

 現在、2兆円ともいわれるダイエット市場にて圧倒的な存在感を放つ「ライザップ」。ぽっちゃり体型のタレントが短期間で健康的でスリムな体になって実際に出演し、「結果にコミットする」というキャッチフレーズが強調されるCMは世間に衝撃を与えた。

 だが、「金額が高すぎる」「短期間での過度なダイエットは体に悪い」「リバウンドする懸念が高い」など批判的な意見も少なくない。

 たとえば「ボディメイク スタンダードコース」は、専属トレーナーによる2カ月間・計16回のマンツーマントレーニングと食事指導が行われ、総額34万8000円(入会金5万円、コース料金29万8000円、いずれも税別)となっている。

 また、短期間で結果を出すために効率の良さ・効果をひたすら追求し、2カ月で10キロ以上減量に成功させることなどをウリにしているが、体への悪影響はないのだろうか。

 そこで元キックボクサーで現在はパーソナルトレーナーとして活躍している板橋寛氏に話を聞いた。

「ダイエットをするうえで一番大事で、なおかつ難しいのが食事管理です。この要素が9割といっても過言ではありません。ライザップは主に糖質制限する食事をすすめており、トレーナーにその日食べるものをメールして確認してもらうようですが、これはとても効果があります。自己流でやると体重を落としたいがために我慢しすぎる傾向が強く、たとえば水分も我慢したりして脱水症状になったり、糖質をカットしすぎてイライラや強度の眠気に襲われるといった体への悪影響もありますから、トレーナーと二人三脚で食事制限することはいい方法だと思います。

 また、金額は確かに2カ月で30万円以上というのはかなり高いですが、『大金を払っている』というのはモチベーションの向上に役立つという側面もあるでしょう。

 そして2カ月で10キロ以上落とすという部分も、問題のない数字だと思います。私は長年キックボクサーとして試合前には1カ月で7キロほどの減量をしなければなりませんでしたが、精神的な辛さはあっても健康面での悪影響はありませんでした」

マッスルメモリー

 ボディメイクに成功したCM出演者らはみな筋肉質な体を手に入れているようだが、果たして週2回義務付けられているトレーニングでここまでの体が出来上がるものなのだろうか。

「個人的には週3回はやってほしいとは思いますが、週2回、50分のウエイトトレーニングでも一定の効果は期待できるでしょう。重いものを持ち上げると成長ホルモンやテストステロンといった脂肪燃焼を促す物質が分泌されますので、食事制限の効果を最大限に引き出すことができるためです。また、筋肉量が増すことで基礎代謝も向上するので、体重を減らすには必須ともいえます」(板橋氏)

 つまり、ライザップの手法は問題ないということだろうか。

「CMに出ている方々は、おそらくもともと運動経験があってそれなりの筋肉量を持っていたのではないのかと推測しています。マッスルメモリーといって、過去につけた筋肉は落ちても体が記憶しており、トレーニングを再開することで割と短期間で元の筋肉を取り戻すことができます。シックスパックの腹筋も誰もがあるわけではなく、ある程度の運動経験による筋肉量が必要です。もし、入会した誰しもがCM出演者のような肉体を2カ月でつくれるのならば、ライザップのトレーナーは全員相当に腕がいいということになります」(同)

 ちなみに、かつて大手求人情報サイトに掲載されていたライザップのトレーナー(契約社員)の求人情報概要には、「未経験者が多数活躍中!」と堂々と記されていたが、腕のいいトレーナーを育てあげているのだろうか。

リバウンドはその人の生活スタイル次第

 このほか、ライザップは短期間でのダイエットということもあって、リバウンドしてしまう可能性が高いとの指摘も多い。

「2カ月間のメニューが終わった後に関しては、ライザップに責任はないと思いますが、管理がなくなることによって生活スタイルが以前に戻ってしまえば、間違いなくリバウンドします。大事なのは、その2カ月で得たトレーニングや食事制限の知識を以後のライフスタイルにも反映していけるかどうか。体づくりの意識をいかに継続できるかが重要です」(同)

 以上より、ライザップは「痩せたい」「いい体をつくりたい」という人にとって最適なプランを提案していることには間違いないようだが、同業者としてはどういった思いがあるのだろうか。

ライザップの存在は私たちパーソナルトレーナーという職業を世間に広めてくれた、いわば“広告塔”でもあると思っています。ボディメイクに興味を持つ方がライザップによって確実に増えていますので、感謝しているとともに、お客様の要望にしっかりと応えて結果を出すことへの責任感も感じています。そしてライザップに限らず、パーソナルトレーニングはマンツーマンで行うものなので、自己管理も含めてトレーナーとの相性次第で結果も変わってくるということを知っていただければと思いますね」(同)

“ライザップ後”も自堕落にならない生活環境を整えなくては、ライザップに掛けた大金と2カ月間が台なしになってしまうという意識が重要といえよう。
(文=長谷英史/A4studio)

A4studio

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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