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金なし、開発たった7人…期待ゼロだった「モンスト」、なぜ驚異的ヒット?

構成=大谷弦/清談社

驚異の売り上げで「パズドラ」に肩を並べた「モンスト」

–「モンスト」の開発体制は、どういったものだったのですか?

岡本 最初は7~9人ぐらいでチームをつくってやっていました。「チュートリアルなんていらない」とか、「こんな絵じゃ売れない」とか、つかみ合い寸前の喧嘩をしながら開発していましたね(笑)。最終的には、(ミクシィ取締役で「モンスト」プロデューサーの)木村弘毅が判断していたのですが、今はそれが正しかったと思っています。

–当時は、ミクシィも苦しい状況だったんですね。

岡本 3回ぐらいはプロジェクトが中止になったんじゃないですかね(笑)。でも、そこは木村が踏ん張ってくれました。そもそも「モンスト」っていうゲームは、木村の「こんな世の中じゃいかん」というところから始まっているんですよ。

 例えば、ディズニーランドで並んでいるカップルがいて、彼女はLINEをしていて、彼は1人でゲームをしている。もし、そのゲームが、その場で2人で協力して遊べるものなら、コミュニケーションが生まれるじゃないですか。

 そういう、「みんなで集まって、ワイワイガヤガヤと同じことをやるのが楽しいよ」という基本コンセプトから立ち上がったのが「モンスト」なんです。それも、「ビリヤードをベースにしよう」ということで、僕は「了解です」と言って、2週間ぐらいでゲームの原型をつくりました。

–岡本さんはボードゲームも好きだし、ずっと「みんなが集まってワイワイやるゲーム」を手がけていますよね。

岡本 それは間違いないです。カプコン時代の「ソンソン」や「ファイナルファイト」も2人同時プレイができるし、「ストリートファイター2」も対戦格闘ゲームです。みんなで集まって、その場でワイワイやる。そんなことをずっと追いかけているし、ゲームはそれが一番楽しいと思っています。

–「モンスト」をリリースした時点で、「パズドラ」を抜けると思っていましたか?

岡本 思っていました。リリース後の2年間分ぐらいの売り上げ予想を出して、「このぐらいでApp storeの売り上げランキングで『パズドラ』に追いつきます」と予言したのですが、当初の見込みの1カ月前には達成しました。

 でも、その時は、まだ僕らは「パズドラ」の足元にもたどり着いていなかったと思います。「背中が見えた」と思ったのですが、そこからがキツかった。毎月、追いついたり追い越されたりするのですが、彼らはいつも蜃気楼のように逃げていくのです。

 僕らはしんどいながらも楽しかったですけど、おそらくガンホーは、もっとしんどかったと思います。向こうは「絶対王者」というポジションがあり、こちらは「追い抜かなければいけない」という宿命の中で追いかけ、とらえられそうでとらえられない。

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