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巨大化した「詐欺的」IT業界が、国民の生命や社会・経済を破壊する危険が現実味

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 そうこうしているうちに、時代はITシステムからIoTに移りつつある。表記は小文字の「o」が入るか入らないかの違いだけだし、コンピュータ、ソフトウェア、ネットワークの組合せ・融合で実現するという点で共通している。ところがトラブルが発生したとき、その影響範囲が決定的に違う。

 ITシステムは特定企業の内部や特定業務に限定され、トラブルが発生したときはほかのシステムから切り離すことができる。その復旧と修復は「時間+マンパワー+根性+陳謝」で乗り切れるが、IoTはそうはいかない。

 IoTはYes/Noがはっきりし、影響範囲が想定をはるかに超える。わかりやすい例は自動ドアだ。人やモノが近づいたのをセンサーが検知して、モーターを動かすことでドアが開くというのが理屈。センサーが正常に検知しなかったり、モーターに信号を送らなければドアは開かないので、人がぶつかってしまう。

 もうひとつわかりやすいのは、自動車の自動運転システムだ。自動車に内蔵されたコンピュータが道路やビルのセンサー、ビーコンと交信し、通信衛星からデータを受け取りながら、内蔵したカメラやレーダーで障害の有無を認識して自動走行する。誤動作はただちに事故に結びつく。金融システムが暴走したら預貯金のデータが消えてしまうかもしれず、心臓のペースメーカーや人工呼吸器、血液ポンプといった医療機器の誤動作はただちに人命にかかわる。

建築基準法並みのルールを

 むろん地震や火災、破壊行為、サイバーセキュリティへの対策基準はあるし、品質に関する国際標準規格もある。セーフティケース(安全性の確立手順)やインシデント(事故)管理・対策の研究も行われている。だが、それは表向きであったり、企業内IS部門や受託型IT業のごく一部、大手企業に限られる。
 
 IoTは、複数のITシステムがセンサーの信号で相互に連携し、データをトリガー(起点)に起動する。JRなど複数県にまたがる鉄道では、他県で発生した信号機故障が全線に影響するが、IoT/ITは事故や生命・財産に直結する。IoTの需要は素通りするとしても、既存のワークフロー型ITシステムを担っているのは受託型IT業だ。そこで受託型IT業を所管する経済産業省は昨年の秋頃から、「データ駆動型社会・経済の安心・安全」を目的に、「ITシステム構築における丸投げ下請け禁止」を検討し始めた。

 ところが「禁止」を謳うベースとなる業法や安心・安全の法令がない。強いていうと「情報処理促進法」が唯一で、70年に制定された「情報処理振興事業協会等に関する法律」にさかのぼる。当時は受託型IT業を振興することに主眼があって、自由度の確保が優先、規制は後回しという施策だった。

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