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山口健太「IT業界最前線」

iPhone SEはアップル凋落の始まり?密かに周到な巨大ユーザ層取り込み策実行か

文=山口健太/ITジャーナリスト
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iPhone SEはアップル凋落の始まり?密かに周到な巨大ユーザ層取り込み策実行かの画像1発表イベントにはティム・クックCEOが登壇したものの、発表内容は期待を上回らなかったとの指摘が目立った。

 3月31日に日本でも発売された米アップルiPhone SE。2013年以来の「4インチiPhone」として前評判は高い。

 アップルによれば、世界にはiPhone 5sをはじめとする4インチ以下のiPhoneユーザーがまだ多く残っているという。その買い替え需要を狙って、同じ4インチのiPhone SEを手頃な価格で売ろうというのがアップルの作戦だ。

 一方で、アップルの発表内容には大きな驚きがなかったこともあり、イベント後は「つまらない」「普通の会社になった」との声が目立った。果たしてiPhone SEはアップル「凋落」の証なのか。改めて振り返ってみたい。

新たな市場を見据えた製品は賛否両論

 創業者の故スティーブ・ジョブズ氏に代わってティム・クック氏がCEO(最高経営責任者)職に就いて以降、アップルからは革新的な製品が減ったのだろうか。たしかにジョブズ氏が発表した初代のiPhoneやiPadは、当初は大きな批判を浴びたものの、大方の予想を覆しながら市場を切り開いてきた。

 これに対してクック氏は、15年にスマートウォッチとしてApple Watchを、大型タブレットとしてiPad Proを発表している。Apple Watchは、iPhoneと同じようにそのカテゴリーで「世界初」の製品ではない。

 だが、スマートウォッチという製品の認知度を高め、市場を確立したのはApple Watchの功績といって間違いないだろう。本当に使える製品なのか、まだ半信半疑なところはあるものの、アプリが増える可能性は見えてきた。

 では、iPad Proはどうだろうか。アップルは大型のiPadで「PCの置き換え」を狙ってきた。PCを使い慣れたユーザーからは機能不足との指摘が多いものの、PC市場は不振が続いており、特に若年層のPC離れは著しいという。iPhoneをはじめとするスマホで育った若者が、学業や仕事で生産性の高いデバイスを必要とするとき、そこにiPad Proが魅力的な選択肢として浮かび上がるというわけだ。

 このようにApple WatchやiPad Proは、これまでにない市場や使い方を狙っているという点で、賛否両論を巻き起こしてきたといえる。

期待の範囲内に収まったiPhone SE

 だが、3月21日の発表会で登場したiPhone SEと9.7インチ iPad Proは、いずれも「待ってました」と言わんばかりの、期待通りの製品だった。

 iPhone SEは、4インチのiPhoneを使い続けてきた人にとって、まさしく渡りに船。iPhone 5sと同じボディにiPhone 6sと同じ高性能を詰め込んだ。

山口健太/ITジャーナリスト

山口健太/ITジャーナリスト

1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
山口健太

Twitter:@yamaguc_k

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