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大宅健一郎「STAP騒動の真相」

【STAP論文】若山教授、共同執筆者に無断で撤回が発覚…小保方氏捏造説へ誘導【前編】

文=大宅健一郎/ジャーナリスト
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「ネイチャー」に投稿されたSTAP論文では、小保方氏が自身のパソコンに保存していたテラトーマの写真を間違って掲載してしまい、ゲル写真を見やすいように加工したことで不正認定されてしまう。小保方氏は、このことに関して不注意で未熟だったと幾度も謝罪している。ちなみに、科学論文において図表等の間違いを修正することは、よくあることである。

 14年4月25日、STAP論文に疑義がかかった後、理研の野依良治理事長(当時)が理研内部の研究員に対し「論文を自己点検するように」と指示を出した。その後、修正された論文はかなりの数に上ったが、論文が撤回となることもなく、この事実が報道されることもなかった。

 さらに、STAP問題に対する調査委員会の委員のほとんどに論文の疑義がかかったが、その委員らはホームページなどで説明を行い修正することで終わっている。当時、小保方氏がホームページなどで情報発信することを禁じられていたことを考えると、非常に不公平な対応である。

 また、小保方氏の早稲田大学時代の博士号が剥奪された際にも、早大の内部調査で博士論文89本に不正が見つかり、そのほとんどが修正だけで済み、小保方氏のような博士号剥奪処分はなかった。

 さらに、14年4月、iPS細胞の発見でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授の論文の画像にも疑義がかかる。山中教授は論文の内容自体は正しいものの、自分以外の共同研究者の実験データが残っていなかったとして「心より反省し、おわび申し上げます」と謝罪して、この件は終了した。これら一連の事実だけでも、小保方氏への不公平な対処が際立つ。

 かつて評論家の故・山本七平氏は、日本人は事実ではなくその場の「空気」によって左右され、日本において「空気」はある種の「絶対権威」のような驚くべき力を持っていると喝破した。小保方氏を魔女のごとき存在に思わせる異常な空気が同調圧力となって、マスコミから国民全体まで覆っていた。

 では、なぜこの前提が蔓延したのか。それは、ある人物の不規則発言が原因だった。

突然の「論文撤回」

 小保方氏は、STAP論文に関する実験を若山研で行っていた際、ポストドクター(ポスドク)という不安定な身分であり、上司は若山照彦氏(現山梨大学教授)だった。部下である小保方氏に対する責任は当然、上司である若山氏にあった。若山研では若山氏のストーリーに合わせた実験が行われ、ストーリーに合わないデータは採用されないという強引な研究が行われていたことは、前回の記事で指摘したとおりである。

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