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セブン&アイ、経営混乱で危機的状態…独裁者・鈴木会長失脚で露呈した「異常な体質」

文=編集部
セブン&アイ、経営混乱で危機的状態…独裁者・鈴木会長失脚で露呈した「異常な体質」の画像1イトーヨーカドー店舗(「Wikipedia」より/ITA-ATU)

 4月7日、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長が記者会見を開き、退任することを発表した。鈴木氏が主導した井阪隆一セブン-イレブン・ジャパン社長の退任を求める人事案が否決されたことが理由。

 鈴木氏が主導した人事案に反対した顔ぶれを整理すると、まず指名・報酬委員会で反対を表明していた社外取締役の伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授と米村敏朗・元警視総監の2人。そのほかに2人の社外取締役、スコット・ディヴィス立教大学教授と月尾嘉男東京大学名誉教授。

 社内の取締役で反対したのは、イトーヨーカ堂の創業者でセブン&アイHD株式を約10%保有している伊藤雅俊名誉会長の次男、伊藤順朗取締役と、井阪氏(セブン&アイHD取締役を兼務)だった。

 では、棄権したのは誰か。無記名投票だったため推察の域を出ないが、安斎隆セブン銀行会長とジョセフ・デピント米セブンイレブン社長兼CEO(最高経営責任者)とみられている。安斎氏は日本銀行元理事で旧日本長期信用銀行頭取を務めたキャリアからいって、鈴木氏の走狗にはならないとみられる。

 ジョセフ・デピント氏は米セブン-イレブンのトップであり、企業統治(コーポレートガバナンス)の観点からすると井阪社長の解任に組みすることはないと考えられる。もうひとり、可能性があるとすれば大高善興・ヨークベニマル会長兼CEOだ。同社はイトーヨーカ堂系の東北最大食品スーパーで福島県郡山市に本社がある。

援護射撃

 7日の会見は、セブン&アイHDのガバナンスが機能していないことを如実に示した。鈴木氏のほかに側近中の側近といわれている村田紀敏セブン&アイHD社長兼COO(最高執行責任者)が同席したが、永年鈴木氏に仕えてきた後藤光男氏、佐藤信武氏の2人の顧問が登壇して、鈴木氏を「援護射撃」する発言を繰り返したのは異様というほかはない。

 伊藤氏の信頼が厚いとされていた後藤氏が明らかにしたのは、イトーヨーカ堂創業者でもある伊藤名誉会長と鈴木氏の確執だった。伊藤家の資産管理会社、伊藤興業が筆頭株主で7.7%を保有、伊藤氏名義で1.8%、その他を合わせて約10%のセブン&アイHD株式を保有している。後藤氏と佐藤氏が創業家批判を一方的に展開するという前代未聞の記者会見になった。さすがに記者会見に出席していた記者から「伊藤氏側から見れば、この記者会見は欠席裁判にならないか」との声が挙がったほどだ。

BusinessJournal編集部

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