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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

ポテチとフライドポテトに強力な発がん性!白米・缶コーヒー・アイス菓子は人体に危険!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
ポテチとフライドポテトに強力な発がん性!白米・缶コーヒー・アイス菓子は人体に危険!の画像1「Thinkstock」より

 私たちの体は、食べたものの中からブドウ糖を分離し、それを吸収します。ブドウ糖は私たちにとって重要なエネルギー源ですから、常に補給し続けなければなりませんが、一方で、そのブドウ糖が体の中のたんぱく質と結びつかないようにしなければなりません。

 要するに、必要以上に血液中のブドウ糖の値を上げないようにするべきなのです。摂取したブドウ糖がインスリンと結びつき、細胞内に取り込まれてエネルギー化されれば問題は起こらないわけですが、血液中にブドウ糖がダブついていると、それらはすぐにたんぱく質と結びつきます。それによってたんぱく質が糖化されて、体の老化を進める原因物質といわれる終末糖化産物(AGE)の量が増えてしまい、体の機能が急激に衰えます。

ポテチとフライドポテトに強力な発がん性!白米・缶コーヒー・アイス菓子は人体に危険!の画像2

 食事をした後、ゆるやかに血糖値が上昇し、血液中のブドウ糖が徐々に細胞内に取り込まれて、ある程度の血糖値を維持し、その後ゆっくりと血糖値が下降するという状態をキープできれば健康を害しません。AGEの量を増やさないために、ひいては健康を守るために、血糖値を急上昇させるような食事の内容・方法はNGなのです。逆にAGEの量を少なくすることができれば、体は若さを保つことができ、健康な状態を維持できるといえます。

 では、どんな食品が血糖値を急上昇させ、結果的にAGEを増やすのでしょうか。それは、常々筆者が言及している「白い悪魔の三兄弟」、つまり白い砂糖、白米、白い小麦粉です。

高果糖コーンシロップの危険

 そしてもうひとつ、私たちが注意を払わなければいけないのが高果糖コーンシロップです。「異性化糖」「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」などとも呼ばれています。これは清涼飲料水や缶コーヒー、アイスクリーム、安価なお菓子などに大量に入っています。果糖はブドウ糖に比べてAGEをつくりやすいといわれています。私たちが、朝食に食べる程度の果物に含まれる果糖の量であればまったく問題ないのですが、高果糖コーンシロップのように工業製品としてつくられた高濃度の果糖を大量に摂ることは、体にとって大きな負担となります。

 そのため、肉や魚などのたんぱく質を摂取した後に、高果糖コーンシロップをたっぷり含んだ菓子類を食べたり、清涼飲料水や缶コーヒー、またはコーヒーや紅茶などにガムシロップを入れて飲むといったことは大変危険であるとわかると思います。最近では、高果糖コーンシロップを調味料として使っている料理まであります。

 高果糖コーンシロップは1970年代前半、アメリカでトウモロコシが豊作だった年に、大量の在庫を処分するために考え出されたものです。高果糖コーンシロップは長期保存も可能だったため、コーラなどの清涼飲料水をはじめとして、さまざまな食品に使われるようになりました。困ったことに、果糖には依存性が認められています。コーラや缶コーヒーがやめられず、ついつい毎日買ってしまう人がいますが、このような性質に原因があるのです。

 さらに困ったことに、果糖はブドウ糖の10倍の速度でAGEをつくるといわれています。日常的に高果糖コーンシロップ入りの食品や飲料を摂取している人の体内では、確実にAGEの量も増えていて、その分糖尿病をはじめとする生活習慣病に近づいている可能性が高いのです。

AGE化した食品、体内でAGEをつくりだす食品

 私たちが体を老化させないために、ひいては糖尿病をはじめとする生活習慣病にならないようにするために重要なのは、体内でのAGEの量を増やさないようにすることと同時に、すでにAGE化した食品を食べないようにすることです。

 AGE化した食品の代表は、ポテトチップスなどの揚げ物です。ポテトチップスやフライドポテトは最悪の食品です。AGEも大量に含んでいますが、そのほかにもじゃがいもに含まれるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸が高熱によって変化して、アクリルアミドという強力な発がん物質をつくってしまうのです。

 また、長時間高熱にさらされた植物油にはアルデヒドという物質が発生します。アルデヒドは食品のAGE化を加速し、神経細胞の変性やがんの発生にも関わるとされている物質ですので、可能な限り摂取しないほうが賢明でしょう。

 調理の仕方によっても、AGEをつくり出さないようにすることは可能です。肉や魚などは、直火で焼くよりもステンレスの多層構造鍋などで調理したほうがAGEはつくられません。また、スチーマーなどで蒸す調理法でもAGEはつくられません。

 食べ方によっても体内でつくられるAGEの量が変わります。精製度が低いものであっても、空腹の状態でいきなり炭水化物を一気に食べてしまうと、血糖値が速く上がります。生の野菜(サラダのような料理)、豆料理(砂糖を使っていないことが条件)などを先に食べるとよいでしょう。それらの食品に含まれる食物繊維の働きで、血糖値の急上昇が防げるからです。

野菜を使った料理のレパートリーを増やす

 4月6日付本連載前回記事『トースト、魚のこげ目、焙煎コーヒーは体に危険!糖尿病、脳梗塞、認知症の原因に』でお伝えしましたように、野菜摂取量ワーストの愛知県ですが、野菜の生産量が少ないというわけではなく、農林水産省の生産農業所得統計によれば、2013年度の愛知県の農業生産額は3084億円で全国7位でした。野菜に限っていえば1102億円で5位と、健闘しているのです。知多半島あたりは気候も温暖で、有機農業に取り組んでいらっしゃる農家もたくさんありますし、採れる野菜もおいしいわけですから、もっと野菜の消費量が伸びていいはずです。

 少しでも野菜の摂取量を伸ばしたいという気持ちからでしょうが、愛知県では毎月10日を「トマトの日」と定め、給食でトマトを使ったメニューを必ず1品入れるようにしているというのですが、どうも発想そのものが貧困な感じが否めません。苦し紛れの策なのでしょうが、こんなことをやっている間は野菜の摂取量は伸びないでしょうと老婆心ながら申し上げておきます。

 しかし、これは何も愛知県に限ったことではありません。皆さんのご家庭で、野菜の摂取量を伸ばしたいとお考えならば、場当たり的な方策ではなく野菜料理のレパートリーを増やすしかないのです。それを実践し続けるためには「家庭料理のシステム化」が必至であることも付け加えておきます。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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