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セブン&アイ、子会社幹部と取引先の癒着疑惑…不明朗なアイドルグッズ取引、経営混乱の発端

文=山口義正/ジャーナリスト
セブン&アイ、子会社幹部と取引先の癒着疑惑…不明朗なアイドルグッズ取引、経営混乱の発端の画像1イトーヨーカドー浦和店

 鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)が突然辞任を表明し、セブン&アイ・ホールディングス(HD)がぐらぐらと揺れている。傘下のイトーヨーカ堂の業績不振と戸井和久前社長の退任、創業家との確執、米国投資ファンドのゆさぶり、セブン-イレブン・ジャパンの社長交代問題など、セブン&アイHDの動揺は複合的な要素によるものだ。そして、その発端になったのは、実はヨーカ堂の在庫をめぐる問題だったことが、筆者の取材により明らかになってきた。

 3月下旬、イトーヨーカ堂浦和店の催事スペースには女性アイドルの写真を使った等身大の書き割りが、非常階段のほうを向いて立っていた。このアイドルはイベントで浦和店に来たことがあるらしく、サインとともに「浦和店でイベントできて嬉しかったです!!!」と書き添えられている。こうした書き割りは、小売業界ではスタンディポップと呼ばれている。

 その周囲は地元の埼玉を舞台にしたアニメ『浦和の調ちゃん』の関連グッズで埋め尽くされ、どういうわけかこのアイドルの関連グッズはひとつもなかった。彼女はエイベックス・グループに属するアイドルグループのひとり。ヨーカ堂のテレビCMなどにも起用されており、本来ならスタンディポップは、彼女が描いたイラストなどが入った文房具などに取り囲まれているはずなのだが、現在はすべて片付けられている。

 恐らく廃棄処分が決まったのだ。「恐らく」とつけなければならないのは、ヨーカ堂の持ち株会社であるセブン&アイHDの広報担当者がこれを否定しているためだ。しかし、このアイドル関連グッズはほかの店舗を回ってみても見つからず、ヨーカ堂のHP上でプライベート・ブランドの項目を探しても、セブン&アイHDのネット通販「omni7(オムニセブン)」を探しても姿を消している。

 決して有名とはいえない女性アイドルのキャラクターグッズについてあちこち店舗を回って調べたのは、これがヨーカ堂の社長と常務のクビを飛ばし、部長や店長クラスに左遷や降格の嵐を巻き起こし、さらに親会社のセブン&アイHDの総帥だった鈴木氏を退任に追い込む遠因になった可能性があるからだ。

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ヨーカ堂社長の電撃辞任

 今年に入ってセブン&アイHDでは騒動が絶えない。異変は1月に始まった。不調が続くヨーカ堂のテコ入れを図るため、2014年5月に社長に就任したばかりの戸井和久氏が突如、辞任した。報道ではヨーカ堂の立て直しが軌道に乗らず、鈴木氏から厳しく叱責を受けた戸井氏が「ブチ切れて」辞表を叩きつけたことになっており、実際にセブン&アイHD広報担当者も「業績低迷の責任をとって辞任した」と説明している。

山口義正

山口義正

ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)。

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