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ブス・チビ・家庭環境複雑な女子は採用不可…紀伊國屋書店、過去に強烈な採用差別基準!

文=岡本マルシ
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2.要注意の女子

(1)革新政党支持。その理由を質問し、その答え方の口調に注意。
(2)政治・宗教団体に関係。頭のきりかえのきかないのが多い。
(3)本籍が日本国籍でないもの。特に家が飲食店の場合は不可。
(4)職を二つ以上変っているもの。流れ者であり即戦力になるように思えても長つゞきしない。
(5)四年制大学中退者。
(6)家庭事情の複雑なもの。
(7)父が大学教授。
(8)尊敬する人物が情熱的芸術家の場合。(例)ゴッホ、林芙美子、石川啄木
(9)尊敬する人物が学校の先生の場合、どういう点を尊敬するか質問すること。

第98回国会/衆議院予算委員会第四分科会/第2号/1983年3月5日/土井たか子議員の国会質問から抜粋 ・整理

 バカはダメ。利口者もダメ。会社のいうことを黙って聞き、そつなく仕事がこなせればいいということだろうか。さらに、容姿にこだわり、思想・信条に踏み込み、地方を蔑み、民族差別を肯定し、病者を疎み、学歴に拘泥し、家庭環境を詮索する。まさに、これでもかという差別と偏見のオンパレードだ。

 実はこのマル秘文書の出どころは、日本を代表する有名書店のものであった。土井たか子議員(社会党)がこの文書を国会で取り上げている。

「書店でございますから文化を売るということが仕事の内容になってまいります。文化の最先端と申し上げてもいいような仕事だと思うのですが、この名前を具体的に申し上げますと、紀伊國屋書店の中で、実はこれは内部で出されておりますマル秘の判こがついている資料がここにございます」

 こう発言して、内部文書を読み上げた。

「歴然とマル秘文書として社内にあるということはいかがかと思うのです。こういうことが白昼堂々とまかり通っているということは黙って看過すべき問題ではございません」

 その上で土井議員は、労働官僚には企業に対する指導を求め、労働大臣には「男女雇用平等法」の実現を要求した。ようやく男女雇用機会均等法が成立し、施行されたのは、土井議員が国会で質問してから3年後の86年4月のことだった。

会社側の苦しい反論

 マル秘文書の問題を社会に訴えたのは紀伊國屋書店労働組合であった。同社は当時、社員、契約社員、パート・アルバイトを含めて1000人は下らない従業員を抱えていたが、労組の組合員は2ケタ、それもかなり少ない人数だったようだ。会社からは疎まれていたからこそ、あえて組合は公的機関にマル秘文書を届け出て問題化したのであろう。

 マル秘文書を深読みすれば、労組に加入しそうな、弁が立ったり、新聞部で活動したり、革新政党を支持したり、“インテリ”の家庭に育ったりした者を水際で排除しようとする意志も感じられる。

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