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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

中国、野望頓挫か…海外企業「爆買い」失速、悲願の半導体量産が大金積んでも失敗

文=湯之上隆/微細加工研究所所長
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 第2の問題は、サイノキングと同様に中国に建設された月産20万枚の量産工場で、一体誰が3次元NANDを量産するのかということだ。もし中国人技術者を当てにしているのなら失敗する公算が高い。

中国半導体産業の今後

 中国は2000年に国策でファンドリーSMICを設立した。しかし、中国人技術者が育たず定着しなかったため、長期間にわたって赤字続きであった。

 この状況を打開するために、習近平国家主席が「中国IC産業ファンド」を設立し、海外の半導体企業を技術者ごと買収するという手段に出た。これはある程度の成果は出たが、米国や台湾政府の審査が障害となって、その爆買いに待ったがかかった。

 すると今度は、日本や米国の半導体企業や経営者を利用して、中国国内に半導体工場を立ち上げる計画を打ち出した。それがサイノキングであり、XMCである。しかし、技術者をどこから調達するのか、肝心の技術をどこから持ってくるのかという大きな問題がある。これらの問題を解決しない限り、中国でDRAMや3次元NANDの量産は成功しないだろう。

 ではなぜ、中国はここまでして半導体(特にメモリ)技術を手に入れたいのか。それは、軍事技術と宇宙産業で米国を凌駕したいという野望があるからだという。恐らく、習近平国家主席が断念しない限り、あるいは中国が経済破綻しない限り、半導体技術入手のための戦略が次々と打ち出されてくるのだろう。
(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

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