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ツタヤ図書館以外にも民間委託で不正!委託料増額狙い貸出数水増、スタッフが大量貸出手続

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「指定管理の導入を決めたのは前市長です。現在の市長は、5年間指定管理者に任せてみたものの、いろいろと問題があったために方針転換したと話しています」(同)

 前出の記事を書いた長周新聞の記者にも連絡を取ってみたところ、こうコメントしてくれた。

「すべて関係者に直接取材して書いた記事ですので、内容には絶対の自信を持っています」

 読書通帳は、正しく活用すれば子供たちの読書意欲を引き出すきっかけになることは間違いない。しかし、ともすれば手段を目的と取り違えてしまい、ただ読書手帳に印字された本の冊数だけを競うゲームになりかねないという副作用を持っている。

 特に、民間企業が指定管理者となって運営を担っている図書館では、実績をアピールしたいがために、公共図書館本来の目的をおきざりにしたまま、必要以上に成果を求める傾向がある。その典型例が下関市のケースだといえる。

 ツタヤ図書館で初めて読書通帳を導入した多賀城市立図書館の場合、来館者年間120万人の目標を達成するために、同館のオープン前に行われた図書館利用カードの事前登録会において、併設のカフェや書店の無料券を大量に配布するなど、すでになりふり構わない勧誘行為が行われている。

 そもそも、ツタヤ図書館においては、佐賀県武雄市や神奈川県海老名市もそうであったように、併設されたカフェや書店利用者も含めて「図書館来館者」とカウントしていること自体が、実績データの粉飾ではないかと指摘されている。

 図書館とカフェなど民業部分のゾーニングを明確にしたと胸を張っている多賀城市でも、施設全体でのカウント方式を採用している。これは、意図的に数字を大きくみせているのではないかと思わざるを得ない。

 多賀城市の地元紙・河北新報の4月6日付記事によると、多賀城市立図書館が開業から15日間で10万人もの「入場者」があったことが、CCCによる集計でわかったという。「ビルには図書館のほか書店、カフェ、コンビニエンスストアが入居するため、単純に比較できないが」と前置きしながら、旧図書館の来館者数と比べて25倍にもなっていると褒め上げている。

 だが、CCCの集計方法に疑問を呈する声は多い。多賀城市当局は、利用実績データの信頼性を担保するために、第三者に監査させるなど、指定管理者の行き過ぎた行為に歯止めをかける方策を今のうちから講じておかないと、読書通帳を導入したのをきっかけに貸出実績粉飾の不正行為が起き、公共図書館本来の役割と使命を放棄してしまった下関市の二の舞いになりかねない。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

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