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理央周「マーケティングアイズ」

スタバ、新業態投入でまた業界に地殻変動か…値引き競争を回避する巧妙戦略

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 まず、スタバに学ぶべきは自社の理念でもある「第3の場所」から離れずに、新業態を開発した点にある。生活にアクセントをつける非日常の空間を提供するというコンセプトは、消費者に広く認識されている。自社独自の強みである事業領域から大きく外れることなく、その空間で販売しているコーヒーをワインやビールに変えたということになる。顧客に対して、スタバとその内容は広く深く知られているので、あとはその空間で何が楽しめるのかを伝えるだけでよい。

 これが自社のビジネスを「コーヒーを販売する企業」と定義づけていたら、このイブニングスというコンセプトは生まれなかったであろう。そして、過当競争による値引き合戦に巻き込まれていくであろう。

 次に、女性ビジネスパーソンに焦点を当てている点も興味深い。仕事帰りに一人でちょっとお酒を飲んで帰る、という文化は男性には一般的だが、女性にとってはまだこれからである。

 しかし、立ち飲み居酒屋での女子会などは徐々に浸透しているのも事実である。かえって、既存の潜在的な顧客層である男性をターゲットにしては、競争も激しい上に女性たちは入りづらくなってしまう。このターゲット設定から女性顧客層に向けての「一人ちょい飲み女子」という新カテゴリーを開発しようとする意気込みすら感じられる。

 自社の核になる事業領域から外れずに、顧客層を絞りチャレンジする。この戦略は他業界の企業にとっても大いに参考になる。
(文=理央周/マーケティングアイズ代表取締役、売れる仕組み研究所所長)

●理央 周(りおう めぐる)
マーケティング・コンサルタント、企業研修講師。1962年生まれ。静岡大学人文学部卒。フィリップモリスなどを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBAを取得。アマゾンジャパン株式会社、マスターカードなどで、マーケティング・マネージャーを歴任。2010年に起業。収益を好転させる中堅企業向けコンサルティングと、従業員をお客様目線に変える社員研修、経営講座を提供。2013年より関西学院大学経営戦略研究科准教授として教鞭をとる。著書は『「なぜか売れる」の公式』(日本経済新聞出版社)、『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など。商工会議所や経営者会での講演、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌への出演、寄稿も多数。
【HP】http://www.businessjin.com/

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