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ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(4月28日)

アマゾン、なぜ衣料品PBを開発?ユニクロ、自社の「時代遅れ」気付き解体的改革始動

文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授

アマゾンがファッションのPBに進出?

 その点、さすがユニクロを展開するファーストリテイリングは、自社の現在のビジネスモデルが時代にそぐわなくなってきたことを理解している。そのうえで、ネット販売を付加するのではなく、ビジネスモデルを変えるためにネット利用することを考えている。

 ビッグデータの分析を通してグローバル市場のトレンドを的確にとらえた、シンプルで高品質な洋服を高スピードで開発し、しかも客が携帯端末を使って柄や素材、サイズなどから自分好みの組み合わせが選べる選択肢も提供する。すなわち、「定番の大量生産化ビジネスモデル+ファストファッションのビジネスモデル+個人に訴求するパーソナライゼーション=ユニクロ独自のビジネスモデル」とイメージしているようだ。

 最後に、アマゾンの衣料品PB(プライベートブランド)について、最新ニュースを紹介したい。

 キャッシュフローを重視するアマゾンは、当然のことながらキャッシュフローに悪影響を与える在庫の管理を重要視している。よって、これまで新鮮さをウリとする商品カテゴリーは不良在庫になる可能性が高いので、自らが在庫を持たなくてはいけないようなやり方はなるべく避けてきた。しかし最近、アマゾンがファッションでPBを開発するらしいと話題になっている。世界一の小売業を目指すアマゾンとしては、衣料品を手掛けないわけにはいかないのだろう。

 もっとも、ファッションのPBではファストファッションのビジネスモデルを採用するようだから、やはり不良在庫を避けることにはこだわっているようだ。14年に独自開発のスマートフォン「Fire Phone」を発売して、8300万ドルの余剰在庫を出すという失敗も経験しているのだから、神経を使うのは当然といえる。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授)

ルディー和子/マーケティング評論家

ルディー和子/マーケティング評論家

早稲田大学商学学術院客員教授。
国際基督教大学卒業後、結婚・渡米を経て帰国、
米化粧品会社のエスティ ローダー社で働きながら
上智大学国際部大学院経営経済修士課程修了。
エスティ ローダー社ではマーケティングマネジャー、
出版社タイム・インク/タイムライフブックス社での
ダイレクトマーケティング本部長を経て、
マーケティング・コンサルタントとして独立、
自身の会社ウィトン・アクトンを設立
ルディー和子オフィシャルブログ

Twitter:@shouhigaku

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