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コールセンターは超過酷職場環境、は本当?体調不良で大量離職・暑い・トイレに行けない?

文=旭マチ子/清談社
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偏見だらけの「劣悪な職場環境」

 また、同書ではコルセンの「劣悪な職場環境」を示す例として、「暑い」「うるさい」「トイレにも行けない」などが挙げられている。それらに関して、「全然違います」と異を唱えるのは、3社のコルセンを数年ずつ渡り歩いたというB氏だ。

「多くのコルセンは冷暖房完備で、むしろ空調が効きすぎているぐらいです。席によって『寒い』『暑い』と言う人はいますが、温度は調整してもらえますし、そこまで気にしている人はいません。

 職場が騒々しいのは、電話での会話がメインの仕事なのだから当たり前ですよ。それを『うるさい』というのは、部外者によるただの感想です。トイレに関しても、ピークの時間帯はあらかじめわかっているため、その前に済ませてしまいます。よほど続けて席を立ったりしない限り、怒られたりはしませんよ」(B氏)

 さらに、同書にはオペレーターが苦痛を感じている事例として、「会話を録音されることがストレスになっている」とも書かれている。しかし、B氏はこう反論する。

「お客様対応の録音は業務の一環で、プライベートな会話を盗聴されるのとはわけが違います。お客様との『言った』『言わない』の水かけ論を防ぐためにも役立つものですから、『心強い』と思う人はいても、『ストレス』だと感じている人はいないのではないでしょうか」(同)

 実は、同書は「ルポ」といいながら、実際にコルセンの現場に行って取材したのは沖縄だけのようで、ほかの現場の記述は出てこない。そのためか、沖縄のコルセンというひとつのケースを、まるで「業界全体の問題」として論じている傾向が強い。これでは、コルセン経験者が読んだ時に違和感を覚えるのも無理はないのかもしれない。

「コルセンは高度な知識が必要」のまやかし

 一般に「仕事」というのは、それぞれ独自のノウハウを要求されるものだが、同書によると、コルセンのオペレーターには「高度な知識が必要」とされている。

 英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語を操る「三村さん(仮)」を例に挙げ、「誰でもできる仕事と思われているのが悲しい」とも書いている。この記述に、約10年のコルセン勤務歴を持つベテランオペレーターのC氏が首をかしげる。

「コルセンは総合案内所なので、多くの知識が必要なのは当然です。とはいえ、基本的な案内に必要なデータは、会社側から教本として配布されるか、業務で使う端末の中にほぼすべて網羅されています。だから、最初からすべてを覚える必要はなく、問い合わせがきた時に、その都度検索するだけで解決できるのです。

 それに、問い合わせも大半は同じような内容なので、3カ月もやっていれば対応のパターンは出そろい、半年たつころには検索しなくても自然と答えられるようになります。結局は『慣れ』の問題にすぎません。4カ国語も話せる人を例に挙げて、さも『コルセンは高度な知識が必要』みたいに言われても……」(C氏)

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