
今年3月、乙武洋匡氏の不倫報道が世の中を驚かせた。確かに、不倫はほめられた話ではない。彼の行為に批判的な人も多く、彼の家族も傷ついたことだろう。
しかし、別の側面から見ると、「乙武氏のような身体障害者であっても、結婚ができ、子供をつくることも、ましてや不倫だってできる」という事実は、障害者の子供を持つ親御さんなどにとっては、少なからず希望となった可能性も否定できない。そのくらい、障害者の性というのはデリケートな問題である。
メディアは、乙武氏の不倫について健常者の不倫と同等のように扱っているが、そこには違和感を覚える。乙武氏は先天性四肢切断という障害のため、生まれつき手も足もない。女性を連れてホテルに行くにしても、1人ではドアも開けられないし、会計もできない。タクシーにだって乗れない。つまり、強引に女性を誘うことは不可能だ。
性行為についても、ベッドに引き込むことはもちろん、愛撫もできない。女性が介助して「大人の関係になりたい」という意思がなければ成立しない。それでも女性が性的関係を持ったということは、女性に「抱かれたい」と思わせる魅力やフェロモンがあったという証拠だ。これは、男性としては素直にうらやましいと感じる。
もちろん、性欲があるのは乙武氏だけではない。健常者も、ほかの障害者も同じだ。では、一般的な障害者の性欲や性処理はどうなっているのだろうか。
障害者専門デリヘルの実態とは
基本的に、障害者の介護は家族のなかでも女性が行うことが多いという。つまり、母親や姉・妹であり、性欲の処理も同様だ。
性欲が高まった場合にどうするかといえば、母親らに性器を刺激してもらって射精させてもらうことが多いという。同じ男性ならわかるが、性欲というのは誰もが持っているものの、妻以外の家族には最も触れられたくない部分だ。それを母親らに任せるということは、大きなストレスや屈辱を伴うだろう。射精しても、そこには純粋な快感などなく、たまったものを排出する掃除のような感覚なのかもしれない。
それでも、「たまには、ストレスなく射精させてあげたい」と家族が風俗店に連れていくということもあるそうだ。最近は性介護のサービスもあるようだが、家族も障害者自身も、「お金で割り切って任せられる風俗店のほうが、気が楽」と感じるケースが多いという。
ただし、家族にとっては、自分も一緒に風俗店に入るのは恥ずかしい。では、どうするか。事前に風俗店に電話して障害者の対応可否を確認し、OKの場合は指定の時間に店の前に置き去りにするのだそうだ。