日本では野放し状態

 アメリカでは、カラメル色素の安全性が社会問題になりました。なぜなら、アメリカ人が大好きなコーラにカラメル色素が使われ、それに4-メチルイミダゾールが含まれていたからです。特に環境汚染に厳しい姿勢をとっているカリフォルニア州では、4-メチルイミダゾールの1日の摂取量を29マイクログラム(マイクロは100万分の1)と定めています。コーラ1缶(約355ミリリットル)には、その3倍を超える100マイクログラム以上が含まれていたため、コーラを販売している米コカ・コーラと米ペプシコは製法を変えることで4-メチルイミダゾールの含有量を減らしたコーラを新たに発売したという経緯があるのです。

 日本では、この情報は一部のインターネットニュースで流れただけで、テレビや新聞などは取り上げませんでした。そのため大きな問題にはなりませんでしたが、状況はアメリカと変わらないのです。つまり、市販のコーラには4-メチルイミダゾールが含まれ、その量はカリフォルニア州の基準を超えているということです。日本では、以前と製法が変わっていないからです。

 前述したようにカラメル色素は4種類ありますが、食品に表示されているのは「カラメル色素」という言葉のみです。つまり、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのうちどれが使われているのかわからず、市販の食品にカラメルⅢまたはカラメルⅣが使われていても、避けることができない状況にあるのです。

 日本では、まだカラメル色素の危険性はそれほど知られていません。そのためカラメル色素に対する警戒心が弱く、知らずに4-メチルイミダゾールを摂取している人がかなり多くいると考えられます。この状況は改善されるべきと考えます。

 消費者庁は、食品添加物の許認可事務を行っている厚生労働省に対して、カラメルⅢとⅣの使用を禁止するように働きかけるべきでしょう。それができないのであれば、各食品メーカーに対して、4種類あるカラメル色素のうちどれを使っているのか、きちんと表示させるようにすべきでしょう。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

情報提供はこちら
RANKING
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合