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清水和夫「21世紀の自動車大航海」

さすがジャガー、SUVに秘密兵器投入…夢レベルの乗り心地、すべてが最高

文=清水和夫/モータージャーナリスト
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 また、アルミボディがジャガーのコアテクノロジーとなった今、リサイクルアルミの使用率も高まっている。1年間でリサイクルするジャガーのアルミの総量はエッフェル塔4本分に匹敵するという。つまり、このFペースにもリサイクルのアルミが使われている。ホワイトボディ(塗装前のボディ)の重さはわずか298キログラムである。ジャガーのアルミの多くが再生可能エネルギーの電力でつくられている点も見逃せないファクトだ。自動車の環境問題というと燃費ばかりが話題となるが、生産から廃棄までのトータルの環境負荷(ライフサイクルアセスメント/LCA)を評価することが重要であり、その意味でジャガーは環境団体から表彰されても不思議ではないのである。

快適な乗り心地

 さて、Fペースには18インチから22インチまでのタイヤが用意されているが、特別なオプションで265/40/R22 を用意した。これはデザイナーからの強い要望であったが、ダイナミクスで優位に立とうと考えていた開発チームもこのサイズを受け入れた。どのインチでもタイヤの直径は765ミリ前後と大きく、このサイズが格納できるホイールハウスと、サスペンションストロークがFペースには必要だった。そのためにフロントのシャシーとボディはFペース専用設計となった。サスペンションはXE/XFでお馴染みの、フロントがダブルウィッシュボーン式、リヤがインテグラルリンク式マルチリンク。リヤアクスルとサスペンションには重量をたっぷりと与え、上質な乗り味を可能とした。

 ダンパーは高価だが、複筒式よりも応答性に優れているド・カルボン式を全車に標準で採用する。このサスペンションは走行状況に応じて可変し、ボディの動きは毎秒100回、ホイールのストロークは毎秒500回の速さで可変する。さらに速度に応じて可変するから、町中からサーキットまで理想的なダイナミクス(力強さ)とライドコンフォート(乗り心地)が得られるのである。

 試乗会では、V6ターボエンジンと2リッター4気筒ディーゼルを試した。AWD(全輪駆動)システムはスポーツカーのFタイプに見習い、リヤ100から前後50対50の電子制御可変システムを持つ。つまり、普段はFRスポーツカーのように素直なキャラクターで走れるが、悪路ではレンジローバースポーツに近い走破性を発揮する。エアサスペンションがなくても車高は213mmも確保されているので、悪路の走破性は悪くなかった。

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