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ここに挙げただけでも3万坪にも上る。1000坪に100万冊という丸善京都本店の蔵書数を参考に単純計算すれば、3000万冊もの出版物の在庫が丸善ジュンク堂書店にある。
果たして、丸善ジュンク堂書店の戦略は今後も続けられるのだろうか。同社の売上高は800億円弱、大日本印刷グループの文教堂を含めれば約1000億円になる。出版市場は1兆5000億円、同グループの書店売上はその15分の1以下で7%弱にすぎない。それを考えれば、自社の占有率を高めるのがまずは先という考えなのだろうか。
営業赤字体質のビジネスモデルを拡大し続けても平気とは考えにくい。大型店というビジネスモデルがすでに破たんしているのであれば、書店の大倒産時代が到来することも考えられる。
1650坪のジュンク堂書店新宿店が閉店した時、大量の返品が小零細出版社を襲った。1245坪の紀伊國屋書店新宿南店が閉店する時も、同様の影響が予想される。そして、大型店の大閉鎖の波が襲来すれば、数多くの小零細出版社が連鎖倒産するのは間違いない。紀伊國屋書店新宿南店の撤退は、その予兆といえるのではないか。
(文=佐伯雄大)
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