–月に30万円入ったら、それを全部使う。それどころか、40万も50万使ってしまうから借金が膨れ上がってしまう。本書を読んでいると、よく出てくる描写です。

沢木 それには、親の教育が大きいと思います。例えば、私は「お金が入ったら、1割はとっておけ」と言われて、その積み重ねでやってきました。仮に月収が10万円でも、1万円とっておけば年間で12万円になります。そういったことを親が教えてくれた子供は「ほしいものがあるけど、このお金はとっておかなきゃ」と我慢できるため、貯蓄を習慣化することができます。

 本書では「実家力」という言葉を使っていますが、実家の経済力に余裕があると、子供に潤沢にものを与えてスポイルしてしまったり、子供の借金を肩代わりしたりといったことができてしまう。結果的に、本書に登場するような女性を生んでしまうわけです。

 だから、親の経済力ではなくて教育や資質という部分もすごく大きいと思います。親世代を取材していて「お金がないんだけど、子供を私立に入れたい。借金しないと……」という言葉を聞いて驚いたことがあります。そこで借金して私立に入れても、その先に無理が生じることは明らかなのに、それが見えない。そういう親に育てられた子供は、本書に出てくるような貧困女子になるんだろうな、と思いました。

収入の倍以上浪費する、読者モデルの謎の生活

–そもそも、本書を執筆したきっかけはなんでしょうか。

沢木 女性誌の編集者をしているので、10年ほど前にネタ探しのために読者モデルのブログなどをよく見ていました。すると、「ハワイ旅行に行ってきました!」「(高級店で)女子会しました!」みたいな記述がすごく多かった。

 収入は月20万円ぐらいだと思われるのに、計算すると、それだけで支出は40万円を超えるわけです。それに家賃や光熱費などを払っていたら、どうやって生活しているのだろう……と思って、後に聞いてみたことがあります。

 すると、「親が援助してくれている」「彼氏が金持ちだから」といった実態が見えてきました。でも、親はともかく男性がチヤホヤしてくれるのは、若さと美貌があるから。そこに甘えている女性は、それがなくなった時に行き詰まると思います。

『貧困女子のリアル』 社会的に注目されている貧困女子はシングルマザーなどが多かったが、ここにきて、短大や大学を卒業した30代女性たちが貧困状態に陥っていることが表面化してきた。街金での借金、親からのDV、男性への依存など、悲惨な現状はネットや雑誌でも話題になり、反響は大きい。学歴があるのに、なぜお金に困るのか、なぜ人生を捨てたような日常になってしまうのか。親や上司の世代には理解しがたい驚くべき現実。そして意外に共感できるという同世代の女性たち。社会問題としての貧困女子を浮き彫りにする。 amazon_associate_logo.jpg
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