NEW
石徹白未亜「ネット依存社会の実態」

ネット炎上犯は高学歴・高収入者が多かった!ネットを見て「自分は正しい」と思い込む人たち

構成=石徹白未亜/ライター
【この記事のキーワード】

, , , , , , ,


–この手の話題は、「刺激するとまずいから、触れちゃいけない」という暗黙の了解ができてしまっていますよね。

山口 中庸な意見が蒸発する一方で、過激な意見は同じ人が複数回書き込んでいるのです。だから、大勢いるように見えてしまう。わざと大勢いるように見せかける人もいるとは思いますが、自演というより、「自分の言いたいことを言いたいだけ言っている」という人が多いのではないでしょうか。

 結局、「極端な意見の人」というのは、ものすごくエネルギーがあるんですよね。そのような人たちの動機が「正義感」であるというのが、また難しいところでもありますが。

 炎上加担者は大勢いるように見えますが、実際に過去1年で炎上に参加した人は0.5%、「過去1年」という条件を外しても1.1%です。これは、本書で実施したアンケートの結果です。

炎上を引き起こしているのは、ごく少人数

–掲示板サイト「2ちゃんねる」のよく燃えているスレッドを見ていると、全体の20%くらいの人が炎上に参加しているように見えてしまいますが、実際は少ないんですね。

山口 大量のコメントが画面上に一斉に流れる「ニコニコ動画」の場合、見るからに荒れている時は大勢の人が炎上を引き起こしているような印象を受けますが、荒らしは少ないと川上量生氏(「ニコ動」を運営するドワンゴ会長)も指摘しています。荒れ放題のニコ動の画面も、数人のコメントを消すだけで、画面上が一気に平和になるという指摘もあります。

「ごく少数の人が暴れ回っている」という事実は衝撃的であると同時に「まぁ、そうだろう」とも思ってしまいますよね。

–「Web 2.0」という言い方も古いですが、コミュニケーションが双方向になるのは、とてもいいことのように言われていました。しかし、双方向は、ツイッターで一般人が数万のフォロワーを持つ有名人をリアルタイムでボコボコにすることもできる、ひどい仕組みでもありますよね。

山口 そうした場合、反論すると有名人のほうが叩かれてしまうんですよね。本書の共著者である田中辰雄先生は、「(ツイッターで)一般人が、オバマ大統領に対して誹謗中傷できるという状況は異常でしょ?」とおっしゃっています。

 これに反論する人は「表現の自由」と言いますが、「表現の自由」と「誹謗中傷」や「ヘイトスピーチ」は別ですよね。ただ、誹謗中傷表現を禁止する時には線引きが難しい。それを利用して表現を規制しようとする権力者が現れるかもしれない。そういったリスクを考えると、規制も難しいですよね。

–本書内にも「炎上させる側に議論する気はない」とありますね。

山口 炎上を起こしている側は相手と議論する気はないし、自分たちが正しいと思っている。やはり、正義感なんですよね。それが一番の問題だと思います。

『ネット炎上の研究』 炎上参加者はネット利用者の0.5%だった。炎上はなぜ生じたのだろうか。炎上を防ぐ方法はあるのだろうか。炎上は甘受するしかないのだろうか。実証分析から見えてくる真実。 amazon_associate_logo.jpg
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』 時間がない! お金がない! 余裕もない!――すべての元凶はネットかもしれません。 amazon_associate_logo.jpg
RANKING
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合