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木村隆志「現代放送のミカタ」

NHK、受信料使い膨大な金かけた『トットてれび』への強烈な違和感…採算は度外視

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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 くしくも、舛添要一・東京都知事が政治資金に関する疑惑に対して「第三者の厳しい目で精査してもらう」というフレーズを繰り返して非難を受けているが、『トットてれび』を観ると、「NHKにも、第三者の厳しい目が必要なのではないか?」と思ってしまうのだ。

『トットてれび』を観て、「これぞ、受信料を払っても観たいドラマ」と感じる人がいるかもしれない。基本的に個別番組の制作に関する予算や時間は公表されないが、もし、実際の制作費やコスパが明らかになった時、そう言えるのだろうか?

民放は「やりたい放題でズルい」としらけムード

 いまだ膨大なお金と時間をかけ、しかも「視聴率をとらなければいけない」というプレッシャーも、スポンサーの顔色をうかがうこともない。そんなNHKのドラマに、民放のドラマ班スタッフたちは「やりたい放題」「ズルいよね」としらけている。

 ある民放のドラマプロデューサーは、「小学生の頃、お金持ちのクラスメイトが新しい文房具やおもちゃをそろえて取り巻きを集めていたのと、同じような感覚」と苦笑いで話してくれた。つまり、「指をくわえて見ているしかない」という状況なのだろう。

 NHKの予算と時間、それに伴う豪華なキャストやスタッフ、入念なリハーサル。少なくとも、「同じ予算と時間をもらえたら、間違いなく同程度以上のものをつくれる」という口惜しさを抱えているのだ。

「NHKは、朝ドラが成功しているからいいでしょ」という声があるかもしれないが、こちらもその例に漏れず、予算と時間は民放とは比較にならないほど潤沢。「1話あたり4回以上全国放送する」という、CSのような余裕ある編成もNHKにしかできないものであり、多くの点で圧倒的優位な立場にいる。

『トットてれび』の番組ホームページには、「NHKが本気を出して60年前のテレビを作ってみた!」と自信満々に書かれているが、圧倒的優位な立場にいる以上、「その姿勢は素晴らしい」と言いづらいのだ。

受信料を集めて「自由で破天荒」をうたう、NHKのキレイごと

 黒柳徹子さんの自伝エッセイが原作だけに、『トットてれび』のキャッチコピーは「世の中なんだか、徹子さんが足りない」。これは、「“黒柳徹子=自由で破天荒”のイメージであり、それこそが現在のテレビ業界や番組に足りないもの」という意味だろう。

 BPO(放送倫理・番組向上機構)、コンプライアンス、インターネット上のクレームを過剰に意識した自主規制。さらに、視聴率に一喜一憂するあまり、民放各局は“お行儀のいい、似たような番組”ばかりになっているのは間違いない。

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