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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

ダメ企業が細かい「科学的ルール化」で驚異的好業績&離職者激減

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
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 このルールをベースとした仕組みづくりは、アースコムの第6期(2013年12月~14年11月)からスタートしているという。そこには深い理由があった。08年に創業したアースコムは、ずっとルールをつくらない自由な会社だったという。しかし、そこに落とし穴があった。

「ルールがないと、混乱も多くあったのです。社長が示した方針を自分の都合で解釈した社員が、それぞれまったく逆のことをしたり、意見もいつもぶつかっていました。社員同士の衝突が増えてくると離職率も高まります。以前は離職率が年30%になったこともありました。

『このままでは会社は伸びない』と危機感を感じ、経営コンサルタントで株式会社武蔵野の代表取締役・小山昇氏から学んだ『手帳型経営』に変えたのです。弊社では毎期『経営計画書』という手帳をつくり、社員全員に配布しています。そこには、これまでの失敗の経験から学んできたことを明文化し、それをしっかり覚え、守ることを徹底したのです。

 その結果はすぐに表れました。それまで混乱していた社員のコミュニケーションがすっきりとし、余計な精神的ストレスもなくなり、明るくなり、仕事の迷いがなくなり、仕事の効率化も格段に向上しました。そして社員も辞めなくなりました。何より、売り上げが急速に上がるという結果が表れました。経営者と社員の価値観が揃うことが重要であると肌で感じています」

 経営計画書には、30項目に及ぶ内容が細かく書かれている。経営理念や行動方針はもちろん、「お客様への正しい姿勢」「ライバルに対する方針」「準備・段取りに関する方針」「コミュニケーションに関する方針」、さらには「会社の財務方針」に至るまでオープンに書かれている。これを創業者であり現社長の丸林信宏氏が毎年膨大な時間をかけて制作しているのだ。

 経営計画書の冒頭には、丸林社長の言葉が書かれている。これも小山氏から学んだそうだが、そこにアースコムの経営精神が表れているので、一部を紹介しよう。

「『苦しい時はあっても、苦しい人生はない。夢は逃げない。逃げるのは自分です』。この経営計画書は、社長が最高責任者として、自分の過ちを正し、お互いの価値観を同じにし、数字による目標を基盤として、方針を明確にし、何をしてはいけないか、何をしなくてはいけないかを、熱い願いを込めて毎年計画を立て直したものです」(丸林副社長)

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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