ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 新ツタヤ図書館でまた重大問題発覚!  > 3ページ目
NEW

新ツタヤ図書館でまた重大問題発覚!中古本を大量一括購入、本をただのインテリア扱い

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

 昨年8月、CCCの運営する武雄市図書館がリニューアルした際に仕入れた蔵書の選書リストが、情報開示請求した市民によって公開された。そのなかには、埼玉のラーメンマップ、浦和レッドダイヤモンズの本、10年前の資格試験対策本、すでに生産されていない古いパソコンの入門書など、市場価値が極端に低くなった“クズ本”を大量に仕入れていたことが発覚した。

 それをきっかけに、10月1日に新装開館を控えていた海老名市立中央図書館でも選書問題が世間を騒がせた。メガネクロスやフライパンなどムック付録がついた料理本が購入予定となっており、また東南アジアの風俗ガイド本などが、すでに蔵書として購入・登録されていたことが判明した。

 そして多賀城市では、最初から古本を仕入れることを堂々と宣言していたのだから、多賀城市民のみならず多くの人に不安がよぎった。

 公共図書館において、蔵書を中古で購入するケースはあるのだろうか。

「東京の図書館をもっとよくする会」代表で、長年自治体直営の館長として運営にかかわってきた大澤正雄氏は、「一般的には、中古で購入することはありません」と語る。

「公立図書館(行政事務)の世界では、会計処理の問題として中古を購入することは基本的にしません。調達は、物品会計規則に則って、原則として物品は必ず入札か見積もり合わせでなければなりません。古本でしか入手できない本を買うことはありますが、その場合には古書組合に依頼して、購入した本が本当にそれだけの価値があることを証明する鑑定書を作成してもらい、それを添付します」(大澤氏)

 前出の池沢氏も、「古本を買うと、公正さが保てないのが一番の問題」と指摘する。

「定価であれば、どこから購入しても不正の余地はありません。ところが、中古の場合には、その価値がわからないため、不正行為の温床になりかねないからです」(池沢氏)

 中古品での蔵書購入を認めると、極端なことを言えば、業者が単価1円で仕入れてきた定価1000円の品を、新品と同じように1000円で自治体に売ることもできてしまう。つまり、税金の使途がとんでもなく不透明になるおそれがある。そのため、公共図書館では、中古の本を買うことはしないのだ。

 また、大澤氏は、「地元企業を育成・保護するという観点から、地元書店との取引も大事にしてきた」と話す。

「図書館の蔵書を専門に扱うTRC(図書館流通センター)から直接新刊を購入する場合でも、地元の書店に配慮する意味で、必ず地元書店組合を通して購入する割合を一定数は残すのが慣例です」(大澤氏)

 県外の業者から、しかも中古を含めて大量の蔵書を一括調達する“ツタヤ方式”は、そうした慣例をすべて無視している。

 次回以降、具体的にCCCがどのような本を購入したのか、驚愕の実態を紹介したい。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

新ツタヤ図書館でまた重大問題発覚!中古本を大量一括購入、本をただのインテリア扱いのページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!