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高橋潤一郎「電機業界の深層から学ぶビジネス戦略」

電機大手が総崩れ、停滞鮮明で深刻な状況…シャープと東芝は経営危機、日立も三菱も減益

文=高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役

 日立、三菱電機、NEC、富士通の4社は、いずれも本業の利益を示す営業利益段階では減益だった。日立は営業利益では微減だが最終では2ケタ減益、NECは最終の当期純利益は増益だが営業利益段階では2ケタ減益、富士通は営業利益段階以下すべての項目で30%以上の減益であり、いずれも厳しい結果だった。

 スマートフォン(スマホ)市場の減速や中国の成長率鈍化が響いている。各社のなかで比較的堅調だったのは、日立の情報・通信システム部門、三菱電機の自動車市場向け、富士通の官公庁向けなどだが、全体を大きく牽引するまでには至っていない。

17年3月期は軒並み売上減少見通し

 一方、8社の17年3月期については、パナソニックとNECが決算基準をIFRS(国際財務報告基準)に変更するため対前期比表示を行っていないほか、シャープが今期予想を開示していないが、パナソニックだけが微増予想で、ほかの会社はすべて売上が減収となる予想を立てている。

 また、利益面でも前期が大幅欠損の東芝が黒字回復予想なほかは、ソニーだけが営業増益見通しで、そのソニーも地震の影響から当期利益は減益予想という構図となっている。東芝の黒字回復も不透明で、電機大手の停滞感はかなり根深い。
(文=高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役)

高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役

高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役

業界紙記者を経て2004年に電機業界の情報配信会社、クリアリーフ総研を創業。
雑誌などへの連載も。著書に『エレクトロニクス業界の動向とカラクリがよ~く
わかる本』(秀和システム)、『東芝』(出版文化社、共著)ほか
クリアリーフ総研

Twitter:@clearleafsoken

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