ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 消費再増税延期で企業に大打撃!  > 2ページ目
NEW

駆け込み需要が、消えた…消費再増税延期で右往左往する企業、業績下方修正も続出か

文=寺尾淳/ジャーナリスト

 家電販売店は、経済産業省が発表する専門量販店販売統計・家電大型専門店販売(14年1月調査開始/現在は商業動態統計)によると、増税直前の3月は6604億円で前月比で84.9%増。増税後の4月は2869億円で前月比56.5%減と、駆け込み需要の山がはっきりしていた。

 百貨店は、日本百貨店協会が発表する全国百貨店売上高によると、3月に前年同月比25.4%増と突出して増えていたが、4月は12.0%減と激減した。
 
 情報サービス産業は、経済産業省が発表する特定サービス産業動態統計・情報サービス業売上高によると、13年8月に対前年同月比でプラスになって以降、増税後の14年6月まで2%オーバーの高水準が続いた。13年12月と14年2月には対前年同月比で5%を超えている。そのあたりの時期が小売業を中心に消費増税準備のシステム改修のピークだったようだ。

 業界、業種によって違いはあっても、企業業績へのインパクトは決して小さくない。小売業なら今から約半年後から、住宅などは夏から秋口にかけて予想されていたそんな駆け込み需要が、消えた。

駆け込み需要が、消えた…消費再増税延期で右往左往する企業、業績下方修正も続出かの画像3出典:経済産業省 専門量販店販売統計・家電大型専門店販売(2014年1月調査開始)

国内新車販売500万台以上の回復は微妙な情勢に

 5月の伊勢志摩サミットの前、上場企業の3月期決算、今期業績見通しの発表がピークだった頃まで、安倍首相は「来年4月の消費増税は、東日本大震災並みの自然災害やリーマンショック並みの経済危機でも来ない限り、予定通りに実施する」と繰り返していた。増税先送り観測は報道が先行し、安倍内閣の閣僚はずっと否定的だった。

 そのため、「消費増税は予定通りに実施」という想定で16年度の販売見通し、業績見通しを立てていた業界団体や企業があった。

 社団法人日本自動車工業会は3月17日、16年度の自動車国内需要見通し(軽四輪者車含む)を525万8400台と発表した。「17年4月に予定されている消費税率引き上げ前の駆け込み需要により」と、発表文にはっきり明記されている。その駆け込み需要がなくなると、どうなるのか。

 日本自動車販売協会連合会が4月に発表した15年度の国内新車販売台数(軽自動車を含む)は6.8%減の493万7638台にとどまり、東日本大震災の影響を受けた11年度以来4年ぶりに500万台を割り込んだ。この先の景気動向にも左右されるが、もし前年度並みにとどまるなら新車販売の500万台回復は怪しくなっている。少なくとも台数見通しの下方修正は必至だろう。

駆け込み需要が、消えた…消費再増税延期で右往左往する企業、業績下方修正も続出かのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!