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貧乏人やバカは死ぬ日本…奨学金を返せず自衛隊入隊→戦地派遣が現実的に…

文=林克明/ジャーナリスト
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社会に無関心な若者たち

 誰が借金を背負わされて、戦場に連れて行かれるのか。「それは、あなた方の問題ですよ」と問題提起しても、残念ながら学生たちは現実問題として理解できない。新安保法制の反対運動でも、SEALDsをはじめ若い人たちがたくさん行動を起こしていると報道されたが、実際に国会前などに集まるのは中高年のほうが圧倒的に多い。

 このように危機感を持って行動しなくなってしまった最大の要因は、消費する主体としてのみ育成されてきたことではないか。

 若者をはじめ多くの日本国民には、「消費者」としての感覚でしか物事をとらえられないという精神回路が根づいてしまっている。広告会社や巨大資本が、極めて意図的な戦略として、「一生モノ」の高級品を買うことに熱中する人間をつくり上げようと策を練っているときに、市民的成熟など進み得ない。

 たとえば、大学の授業でブラック企業の話をする。現実に「こういうことが起きている」と説明して学生に感想を書かせると、一番多いのは「ブラック企業に入らないようにしたい」という内容だ。

 まるで、レストランや洋服店を選ぶのと同じ感覚だ。「この店はおいしくなさそうだから、向こうのレストランに行こう」「気に入る服がないから、隣の店に行こう」など、買い物はそれでいい。

 だが、就職はそうではない。もちろん、ブラック企業に入らないに超したことはないが、最初はいい会社と思っていたのに、気づけばブラックな環境で働いていたということも実際にある。

 また、自分の消費行動がブラック企業を助長させていることもある。ある店の食事が安くておいしいと頻繁に利用しているが、実はその店はとんでもないブラック企業だったといったことはいくらでもあり得る。そのような何気ない消費行動が、ブラック企業を栄えさせてしまうのだ。

 たとえば、牛丼チェーンのすき家が、08年ごろから低賃金での長時間労働、トイレ休憩も取れないほどの過酷な労働環境といった内情が漏れて社会問題化した。安くておいしい牛丼と、カウンターの裏側の過酷な世界を結びつけて考えられるか否かが消費者にとって重要なことなのだ。

 今の若者は、こういう社会構造の問題に一切目が向かない。とりあえず、自分がそういうものとかかわりたくないと思ったら、それを一切シャットアウトできるかのような感覚が蔓延している。これは本当に恐ろしいことで、「幼稚化」といってもいい。

 だが、かかわりたくなくても、生きていれば否応なく巻き込まれるのだ。

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