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江田証「医者だけが知っている 医療のホントとウソ」

牛乳やヨーグルトが元凶?下痢・便秘等お腹の不調、食事改善で7割の人が解消

文=江田証/江田クリニック院長、医学博士

 お腹に良いといわれているヨーグルト牛乳には乳糖が含まれる。一般的な“腸の常識”とは逆で、過敏性腸症候群の人は食べ過ぎに注意。

 小麦、大麦、大豆、アスパラガス、ゴボウなどにはオリゴ糖が豊富に含まれている。オリゴ糖は、腸の健康によい影響を与えるとしてトクホに認定されているが、これも同じ。納豆やキムチなど発酵食品も大腸内で発酵を促進するため、過敏性腸症候群の人は控えたほうがいいものとされている。

 乳糖、果糖、フルクタン、ガラクタンなどのオリゴ糖類を含む小麦、タマネギ、レンズ豆、ひよこ豆を控える。甘味料として使われるソルビトール、キシリトールなどのポリオール類が使われている食品を避ける。高乳糖食のヨーグルトや牛乳、高果糖食のハチミツ、リンゴやモモなどの果物の摂取量を減らす。こうした食事を心がければ、腸の調子は回復する。

 豪州などで推奨されている低FODMAP食事法は、3週間はFODMAPの高い食品をすべて避け、その後、徐々にFODMAPの高い食品の摂取をひとつずつ再開していくというものだ。厳密に実践するのは難しいが、研究では、意識して高FODMAP食の摂取量を減らすだけでも、症状が改善することがわかっている。

 ただし、低FODMAP食事法は、あくまでも胃腸の調子が悪い人に向けたもの。まったく問題ない健康な人が実践すると、かえって有用な腸内細菌の代謝産物を減らしてしまうこともある。普段から、腸の不調に悩んでいる人は試してみる価値ありだ。
(文=江田証/江田クリニック院長、医学博士)

江田証/江田クリニック院長、医学博士

江田証/江田クリニック院長、医学博士

自治医科大学にて救急部を含む内科全科を研修後、自治医科大学消化器内科に入局。自治医科大学消化器内科助手、宇都宮社会保険病院内科医長、下都賀総合病院消化器科臨床指導医を経て現職。 日本消化器病学会総会等の学会、 シンポジウムにて現在まで25回の講演。これまで米国消化器病学会(AGA;AmericanGastroenterologicalAssociation)にて5回(サンフランシスコ、アトランタ等)、 ヨーロッパ消化器病学会(UEGW;United European Gastroenterology Week)、 アメリカボストンペプチド学会(International Symposium on Regulatory Peptides)にて2回の研究発表。
江田クリニック

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