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片山修「ずたぶくろ経営論」

「世界最強企業」トヨタ、飽くなき激烈改革…日産、1千万台のワナにはまるか

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 第二の構造改革は、「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の導入である。豊田氏の言葉を借りれば、「もっといいクルマ」をつくるためのグループをあげた取り組みだ。

 その背景には、大いなる反省があった。トヨタはバブル期に拡大路線を突き進み、急速に車種を増やした。結果、プラットフォームと構成部品は必要以上に多種多様化し、開発費は巨額に上った。このままでは、クルマづくりが破綻するというので、プラットフォームの共用化などモジュール戦略を導入した。それが、TNGAである。

 これまでのように個別車種ごとに企画、開発するのではなく、複数の車種を同時に企画するグルーピング開発を取り入れ、プラットフォームをはじめ部品を賢く共用して開発費を抑える。それによって浮いた資金を原資に商品力強化を図る。

 TNGAの第一弾は15年12月に発売され、大ヒット中の新型「プリウス」である。ドライビング・ポジションやバッテリーの位置を工夫して車高を下げ、走行性能を向上させて燃費40km/lを実現するなど、TNGAの成果がふんだんに盛り込まれた。
 
 第三の構造改革は、組織改編である。13年4月、レクサス事業を担当する「レクサス・インターナショナル」、北米・欧州・日本事業を担当する「第1トヨタ」、中国・豪亜中近東、アフリカ、中南米を担当する「第2トヨタ」、ユニット系を集約した「ユニットセンター」の4つの組織に分割し、それぞれに副社長を事業責任者として配置する大規模な組織改編を行った。しかし、思ったように成果が上がらないとして、再び組織体制の改革に取り組んだ。

 16年4月、より責任態勢を明確にしたカンパニー制の導入がそれだ。導入されたのは、「レクサス」「乗用車」「小型車」「商用車」「先進技術開発」「パワートレーン」「コネクティッド」の7つのカンパニーである。従来の機能軸から製品軸に移行し、「機能の壁」を壊して調整を減らすのが狙いだ。また、各カンパニーごとにプレジデントを置き、責任と権限を集約するとともに、企画から生産まで一貫したオペレーション体制に変えた。

 カンパニー制により、意思決定や実施のスピード化のほか、各部門の収益の見える化を目指したのだ。すべては、「1000万台の壁」を突破するためである。果たして、トヨタはカンパニー制のもとでその壁を乗り超えられるのか。真価が問われるのだ。

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