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片山修「ずたぶくろ経営論」

「世界最強企業」トヨタ、飽くなき激烈改革…日産、1千万台のワナにはまるか

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ゴーン氏の野望は成就するか

「私どもには、世界トップ3に入る実力があります」

 日産CEO(最高経営責任者)のカルロス・ゴーン氏は、5月12日に開かれた三菱自との資本業務提携に関する共同記者会見の席上、いつも以上に自信に満ちた強い調子でそう語った。会見場のゴーン氏は、明らかに高揚していた。1000万台の悲願が達成されようというのだから当然だろう。

 仏ルノー・日産連合のグローバル販売台数は現在、852万台で世界第4位だ。三菱自の販売台数109万台を加えれば、その数は1000万台に限りなく近づき、トヨタ、GM、VWと肩を並べる。トップグループへの仲間入りが視野に入った。トップグループへの仲間入りこそが、ゴーン氏の野望であり、今回リスクをとって三菱自との提携をスピード決断した理由である。

 ゴーン氏は、共同会見の場で次のように1000万台が必須条件である理由を語った。

「10年後、15年後を見て、自動車メーカーは、さまざまな技術開発に投資をしなければいけません。エンジンのラインアップも増やさなければいけないし、地理的な拡大もしていかなければいけません。相対的に規模の小さいメーカーは生き残りが難しくなるでしょう」

 その通りである。しかし、ゴーン氏の思惑通りにコトが運ぶかどうかは保証の限りではない。なぜなら、ルノー・日産は、魔物の潜む1000万台を突破し、安定成長を続けられるかどうか、わからないからだ。トヨタやVWのように、1000万台を目前に窮地に陥る轍を踏むことは十分に考えられるのだ。本当に三菱自との提携効果を思惑通りに上げることができるのだろうか。

 日産は、会長や複数の取締役を三菱自に送り込む方針だ。また、燃費データ不正問題を起こした開発部門の態勢を抜本的にあらためることが必要だとして、元日産副社長の山下光彦氏を開発部門トップに送り込む人事を固めた。しかし、日産からの人材投入によって、三菱自の経営風土が一新されるかといえば、簡単ではないだろう。

「壮大なる実験」の成果は

 それより何より、問題は“稼ぐ力”である。かりに日産が1000万台クラブ入りを果たしたとしても、“稼ぐ力”がなければたちまち「1000万台の壁」に押しつぶされ、破綻する可能性があるということだ。

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