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片山修「ずたぶくろ経営論」

「世界最強企業」トヨタ、飽くなき激烈改革…日産、1千万台のワナにはまるか

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 世界の大手自動車メーカー17社の中で、営業利益率が10%を超えるのは、トヨタとBMW、富士重工業だけである。このうち、BMWはミニとロールス・ロイスを合わせても販売台数は224万7485万台、富士重工業は91万700台にすぎない。つまり、販売台数1000万台で営業利益率が10%を超えているのは、トヨタだけである。トヨタが世界最強の自動車メーカーといわれる所以だ。

 日産の営業利益率は現在、6.5%である。16年度末までに8%を目標に掲げているが、かりに8%を達成したとしても、トヨタの営業利益率10%に追いつかない。利益ある成長を目指すのは簡単ではない。量の拡大はできても、質の向上は別の問題なのだ。

 現実問題として、“稼ぐ力”が弱ければ研究開発費を十分に確保できない。環境対応、自動運転、安全など、次世代車の最先端技術の開発には巨額の費用がかかる。それだけに、稼ぐ力がなければ熾烈な技術開発競争を勝ち抜くことはできない。
 
 また、トヨタの研究開発費が約1兆円に対して、日産は約5000億円で半分にすぎない。潤沢な研究開発費がなければ、技術開発競争を勝ち抜くことは不可能だ。

 それから、1000万台となれば、前述したようにそれにふさわしいO&Mの構築が求められる。その点、日産にはトヨタのカンパニー制に代わる秘策があるのかどうか。
 
 ルノー・日産は14年4月、業績向上のテコ入れとして「4機能統合」による経営体制強化策を発表した。研究・開発、生産技術・物流、購買、人事の主要4機能をバーチャル上で統合したのだ。各機能は、両社の副社長が統括し、これまでの業務の提携から統合へと一歩踏み込んだアライアンス体制に移行した。同時に、ゴーン氏自ら新設された「アライアンス・マネジメント・コミッティ」の議長に就任した。

 しかし、必ずしも成果が上がっているわけではない。16年3月、ルノー・日産は4機能統合のさらなる強化を発表した。より緊密な連携を図ることにより、18年に年間55億ユーロ(6870億円)のコスト削減効果を上げる目標を掲げた。

 ルノー・日産アライアンスによる「壮大なる実験」は、いまだ道半ばである。果たして「4機能統合」は量とともに質がともなった成長を実現させるための秘策として機能するのか。また、三菱自の強みをグループに取り込むことができるかどうか。

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